あとがき
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は涼恵共通ルートの物語でした。実はまだ五月ぐらいの話までです。意外と短期間での話だったんですね。
共通ルートのサブタイトルは「ゼラニウムの物語」です。ゼラニウムは涼恵と記也の誕生花で、花言葉は「真の友情」です。そのタイトル通り、涼恵が「友情」というものを知る話です。
デスゲーム本編では頼りになるお姉さんだった涼恵ですが、この話では重度の人見知りであり引きこもり少女として登場します。祖父母が目の前で殺され、両親が娘のせいにして周囲から奇異な目で見られたからこそ、涼恵は外に出ることが出来なかったんですね。
元の設定より少し酷くなっているのは何を隠そう、学パロのコンセプトは「ヒロインズを支える物語」であり、涼恵の場合それが謙虚に出ているんですね。
それはさておき。引きこもり少女だった涼恵は兄や弟、幼馴染達の協力により学園生活を過ごすことになります。雪那が怜に言ったように、多くの人にとっては普通に出来るでも、涼恵にとっては難しいことなのです。
皆さんの周りにも、不登校の人や引きこもりの人はいませんか?そんな人達も、多くは涼恵と同じように外に出てみたいと思っています。でも、人の目が怖い、いじめられる、理不尽に怒られる、病気で動けない……いろいろな理由で出来ない人だっているのです。
涼恵は周囲の協力のおかげでどうにか学園生活にこぎつけることが出来ました。でもほとんどは残念ながらそうではありません。そういう人達に無理強いしてはいけません。
確かに、トラウマはいずれ克服していかなければいけないもの。でも、それを無理にしてしまうと逆効果なのです。
以前、私は幻想怪盗団本編のあとがきで目をそらし続けてはいけないと書いたと思います。でも、それは本人のタイミングでやらないといけないのです。他人に強制されては、逆に怖くなって出来なくなります。
これを読んでいる皆さんは、そんな人がいたら無理強いさせないようにしてください。そして出来るなら、その人が外に出られるようにきっかけになりそうなことを一緒に話してみてください。
涼恵も、本編の方で語っていませんが兄や弟、幼馴染達が学校での活動を話していてそれに興味を持ったから頑張ったという裏設定があります。こちらはTwitterの方でマンガで投稿したいと思います。
さて、涼恵編のもう一つのコンセプトは「恋愛」。次は学パロの本命である怜ルートの物語です。蓮編、シンシア編の物語も書いていっているので楽しみにしていてください。
何度か言っていますが、怜編は年を越してから投稿開始します。