裏切りの星
小噺をひとつ
今日は裏切りについて話をするよ
最近『賭けグルイ』ってマンガを読んでるんだ
結構有名なマンガだし、実写化もされてるから知ってる人も多いと思うけど
ギャンブルマンガだ
俺って昔っから『カイジ』とか『嘘食い』とか『凍牌』とか
ギャンブルマンガが全般的に好きなんだな
で、賭けグルイ読んでて思い出した中一の頃の話
当時、ハンターハンターが連載絶好調でさ、ちょうどジャンケンの心理戦とか
動体視力を鍛えてジャンケンに勝つとか
そういうマンガ内のネタを本気でみんな信じてて、マネしたりしてたんだな
めちゃくちゃ流行ってたんだよ
で、ある時トイレ掃除だったか、詳しくは忘れたけど
スゲーみんなが嫌がることを班でやらないといけなくなったんだな
俺の属していた班は『俺、きみくん、ヨースケ、かずひろ』の四人
全員男だったから、じゃあみんなでやるんじゃなくて
ジャンケンして一番負けた奴がやろうってかずひろが言いだしたんだよ
で、当時の俺考えて拒否したんだよ、負けた時のリスクが高すぎるってね
だから、俺は「嫌だ、そんなんならみんなでやった方がいい」
って言ったんだ
したら、提案してきたかずひろが俺を裏に連れて行って二人っきりでこんなことを
言いだしやがったんだよ
「実はヨースケと二人できみくん(いじられキャラ)を騙そうって話になってるんだ
それでお前と三人で共謀して、じゃんけん同じのを出そうって話なんだよ
具体的には最初はパー、次がグー、その次がチョキ
って感じで決着が着くまで繰り返すの
もしもきみくんが負けずに、逆に一人だけ勝っちゃった時には
俺とヨースケでいちゃもんつけてもう一回やり直しにするからさ
そしたらいいだろ
それでも二回続けてきみくんが勝ったら、その時は残った三人で
ガチでジャンケンしよう
面白いだろ?」
ってさ
俺はその話を聞いて、そういうことならってんで即乗ったね
だって、リスク低いし、何より面白い
で、話し合いの場に戻ってジャンケンで決めることを承諾したんだよ
いざ、ジャンケンの時
リスクは低いし、きみくんが一人だけ負けた時の表情が見ものだ
俺、きっと悪い顔してたと思うな
「じゃあ始めるか、男に二言は無いからな
負けた奴が一人で掃除しろよ」
かずひろがおもむろにそう言った
最初はグー!みんなで声を合わせる
ジャンッケンッ!
ポンッ!!
……
どうだ
俺は言われた通りパーを出してる
きみくんは……チョキを出してる!?
やばい、負けた
いちゃもんつけてくれっ!
と、よーすけとかずひろの方を見る
……
なん……だと……
二人ともチョキを出してる!!!!!!!!!!????????
俺の……一人負け??
混乱する俺の脳は答えを探してグルグルと宙をさまよった
「悪いな、ゆみ太
俺らは俺らで話しがついてるからさ」
かずひろの去り際の吐き捨てるような一言で全てを理解する
嵌められた
嵌められたんだ
奴ら三人最初からグルで、俺一人を確実に負けさせるために
嘘の共謀策を俺にもちかけたんだ
やられた
気付いた時にはもう遅い
トイレの掃除用具を渡された俺は、一人で泣きながらトイレ掃除したさ
それ以来、今に至るまでこの手のジャンケンの共謀策は断るようにしてる
こういうこともあるから、マジでじゃんけんは奥が深いから気を付けろよ!
って、今考えてみても、マジで『カイジ』みたいな
裏切りに裏切りを重ねる、知略のぶつかりあった中学時代だったなぁ




