表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のすべらない話  作者: 弓 ゆみ太
2/64

イケメン

小噺を一つ




昔10年くらい名古屋に住んでたことがあるんだ。




あれは二十歳くらいのことだったかな。




知らない人もいるかもしれないけど、名古屋には地下鉄があるんだ。




その日俺は東山線って地下鉄に乗ってたんだ。




で、その頃の俺って彼女もいなくて、いたこともなくて、モテたい盛りで




髪型とか服装とか変な方向にキメちゃっててさ、




挙句の果てに席空いてんのに、座るのダサいとかいって立って乗ってたの。




俺が乗って次かその次の駅だったかな、




でけっこうきれいなお姉さんが二人乗ってきたのさ。




意識しながらも、見てることバレないように視界の端にたまに捉える




みたいな感じ、男子なら誰でも分かるんじゃないかな。




で、しばらくバレないように意識しながら、会話とかも聞こえる分だけ聞いてたの




そしたら、そのお姉さん二人、身体は全然違う明後日の方向むいてたんだけど、




首だけ回して、明らかに俺の方を見てる?気がするの。視界の端だからなんとなく




更に意識を集中すると、どうやら二人して顔を俺の方向に向けながら




「イケメン」




「イケメン」




って囁き合ってんのさ。




ついに俺の時代って思ったね。




一つだけ言っておくと俺は全くイケメンの真逆だ。




そんなこと、分かってたつもりだけど舞い上がっちゃってさ。




バッ!ってお姉さんたちの方を、どうだと言わんばかりに向いたさ。




そしたら、目が……合わない。




お姉さんたちの視線はこちらの方を向いているのに合わないんだ。




焦点がもっと上に合ってる。




なんだなんだ、と視線の先を追跡すると、俺の右手で掴んでいたつり革の先に




『イケメン http~ikemen.jp』みたいな広告が載ってたのさ。




何の広告か知らんけど紛らわしすぎんだろ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ