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俺のすべらない話  作者: 弓 ゆみ太
19/91

課長とレーシック

小噺を一つ


実は俺レーシック手術を受けたことがあるんだ


そのおかげで今も視力は2.0近くあってさ


俺の場合は結果的に受けて良かったと思ってる


あれは俺が新卒の頃の話


その頃俺は視力がちょっとずつ下がってきてて


コンタクトレンズで凌いでたんだ


だけどめんどくさいなぁとも思ってたんだな


で、そんな時にたまたま俺の直属の上司に当たる課長が


レーシック手術を受けて、すこぶる調子が良いって話を聞いたんだ


で、良かったら俺が紹介したら1万円割引になるから


お前も受けてみたらどうだ?って俺に提案してきたんだよ


あの鬼の課長が優しくさ


俺はこの時点で気持ち悪さを感じてたんだけど、


それ以上に興味を惹かれたんだな


当時10万以上する手術で腰が引けてたんだけど


1万円割引っていうのも魅力的だった


その時は、『なんだ、課長もいいとこあるじゃん』って見直したりもしてたな


だから行くことにしたんだ


品川にあるクリニックにわざわざさ


で、話を聞きに行きがてら、俺が手術に適合するか検査もしたんだな


レーシック手術ってのは受けたことが無い人には分からないだろうけど


角膜がある程度厚くないと削れないから受けること自体が無理なんだよ


で、検査結果は俺は適合するとのこと


その時点で俺嬉しくなっちゃってさ、その場のノリで受けますって言っちゃったんだ


で、1週間後の金曜日の夜に予約してさ(術後を見るために休みの土日を当てた)


で、いざ手術本番


手術室に入る時は流石の俺も少し緊張したな


なんせ直接目にメスみたいなものを入れるわけだからさ


しかも、俺の前に手術室に入った女の人がビビっててさ


「怖い!怖い!怖い!」って叫んでんのが待合室まで聞こえてきたからさ


目に何か近づいてくるのはビビったけど


だけど、手術自体は2分くらいで終わったな


で、医者の話によると


「目が痛いのは今日だけで、明日には痛みも引いて見えるようになります」


だってさ


マジか?って半信半疑のまま帰路についた


俺電車で品川まで行ってたんだ


だから必然電車で帰るわけなんだけど、異変は電車に乗る駅のホームで起きた


!?


!!!!!!??????


涙が止まらない!?


一言で言えば『号泣』


そこから俺、電車の乗り換えとか、歩きとか全部


涙でほとんど見えないぼやける視界でヒィヒィ言いながら帰ったんだよ


あの時俺のこと見た人気持ち悪かっただろうなぁ


俺は見えてなかったから分からんけど


で、やっとこ帰ってすぐにベッドで横になって休んでさ


次の日の朝には生まれた時のようなクリアな視界に戻ってたんだ


課長ありがとうって心の底から思ったね


で、1週間後に術後の検診で、もう一回品川のクリニックに行ったのね


支払いもその時でさ


1万円引きでも10万円以上するから


泣く泣く現金を握りしめて支払ったさ


そしたらクリニックの受付のお姉さんが俺に割引券を渡してくれたのね


「もし良かったらこれ、友人を紹介してもらうと割引になります」


課長にもらったのと同じ1万円引きの割引券だった


それをすっげー笑顔で渡してくれながらこう続けた


「これ紹介してもらうと、あなたにもお返しがありますよ」


俺は最後のフレーズに『ん?』っと疑問に思いながらも


その割引券を受け取ったんだ


で、家に帰って、やっぱり最後のフレーズが気になったもんで


割引券についてた説明書きを読んだんだ


それにはこう書いてあった


『紹介をしていただいた方には4万円のキャッシュバックがございます』


……


…………


課長ぇ!


そんなキャッシュバックあるなら


これで受けてこい、って4万渡せや!コノヤロウ!!



せこい上司にはお気を付けを




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