でかすぎる……
小噺を一つ
俺のとある物が最近でかすぎることに気付いて起った喜劇について話していくよ
そのとあるものとは、俺の夢
ではなくて
ハンターハンターの新大陸(富樫先生が4日かけて描いた見開き)
でもなくて
何のことは無い『印鑑』なんだ
どういうことか順を追って説明するよ
印鑑証明って知ってるかな
何のためにあるのか分からん制度だけど
役所に自分の印鑑を登録しておく制度なんだ
で、俺最近相続が発生して、相続の際にはこの印鑑証明がいるらしいんだよ
ってなことで、それまで登録してなかったもんだから
急いで登録しなくっちゃ、ってなったんだな
ただ、わざわざ作りに行くのも面倒だ、とも思ったんだよ
で、よくよく思い出してみたら、昔小学生か中学生の時に
おじさんがシンガポールだかマレーシアだかに行った時のお土産で
頭にマーライオンみたいな像がついた『弓ゆみ太印』って書いてある
真四角のでっかい印鑑がタンスの中に眠ってることを思い出したんだ
で、ちょうどいいからこいつを登録する印鑑にしてしまおうって即決したんだ
なぜかって言うと、印鑑登録ってもんを俺はあんまり知らんかったから
でかくてゴツければ様になるだろうって思ったんだ
で、役所にいって最初に言われたのが
「え!?これを登録するんですか?
……大きすぎて登録できないかもしれません」だったのね
印鑑登録の印鑑に大きさの制限があるなんて知らなかったから焦ったね
俺「そこをなんとかお願いします」
役所の人「分かりました。やってみます。
……やっぱり駄目…んー、あっ、いけました。ギリギリ入りました」
役所の人も何回かトライして、むりくり入れてくれてなんとか登録できたんだよ
俺はアホだから、それがどういう意味かあんまり理解せずにただ喜んだんだ
で、相続の用紙を記入する会みたいなのが実家で開かれたのね
親父と兄貴と俺と証券会社の人まで呼んで、順番に書いてく段取りのやつ
俺はそれにこの実印を持ってったんだ
で、順番に記入して捺印して、って感じで親父、兄貴と終わらせて
すわ、俺の番ってことでこの印鑑を取りだした時に一瞬場が凍ったんだ
「……でっけぇ……」てさ
全員唖然としてたね
で、数秒後その印鑑の話題で場が湧いたんだ
相続手続きの厳かな場なのに「でかすぎる」ってみんな笑顔になってた
俺はなんだか勝ち誇ってたね
それ以来俺が実印出して周りを笑わせられなかったことは一度もないよ
それくらい俺の鉄板アイテムになったんだ
「大きいって聞いてましたけど、絶対自分の方が大きいと思ってました
でも想像以上でした」とか
「こんな印鑑初めて見ました」とかコメントもらってさ
どんな相手でも圧倒する鉄板アイテムなんだよ
大体、実印が必要になるような場面って厳かな場であることが多いから
このアイテムで場を和ませると場を制しやすいんだな
過ぎたるは及ばざるがごとし、なんて言ったりするけれど
振りきれたデカさは武器にもなるんだぜ!




