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介護ちょっと面白い話③
小噺を一つ
俺が老人ホームで働いてた時の話をするよ
俺はその日夜勤だったんだ
で、その施設は一人夜勤の施設だったから、
俺一人で色んなものと闘ってたんだな
眠気とか孤独とかさ
中でも強敵だったのが、Mさんっていうおじいさんで
認知症だから、みんな寝てるのに一人起きてきて、他人の部屋に入ったり
冷蔵庫開けたり、とにかく放っておくと事故に繋がる危険の高い人だったのさ
で、その日もいつものように部屋から出てきて俺を呼ぶんだよ
M「おーい、おーい」
俺「はい、Mさん。どうかなさいましたか?」
M「柔道の先生を呼んでくれ」
えっ……
てなるよね
柔道の先生って、パワーワードの時点でもうおもろいじゃん
だから俺笑いを堪えながら冷静に対応しようと努めたんだ
俺「えーっと、柔道の先生呼んで何をなさるんですか?」
M「腰が…」
俺「腰が?」
M「腰がいてぇから、柔道の先生に帯をキュってしてもらうんだ」
俺、爆笑
どうゆう発想なんだ
こんなに面白くなれるなら、老いも悪いもんじゃないなって
改めてそう思ったお話でした




