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第十九幕 ディミュルギア

ここはどこ?私は何をしていたの?

お父さんはどうなったの?お母さんは?みんなは?

みんなの所に戻らなきゃ・・・

「杏雛・・・待ちなさい・・・」

目の前にはいつの間にか一人の少女が居た。

「あなたは・・・誰・・・ですか?」

「僕の名前はディミュルギア・・・杏雛・・・君の持つ創造の本でもある存在」

「創造の本?」

「あぁ・・・この世界を創ったのは僕だ・・・愛され聖戦を創ったのも僕だ・・・いや正確には君達人間が創り出した文化に乗ってやっただけだけど・・・」

何が起きてるのか良く分からないけどこれは夢じゃない・・・そんな気がする。

「杏雛・・・君は君として聞いて欲しい・・・この世界を創り変えたいか?」

質問の意味は理解出来なかった。

がなんとなくなら感じ取れた気がした。

「私としてこの世界を変えたいかってこと?」

「そうだね・・・正確には変えるというよりは一から創ると言った方が良いと思うけどね」

一から創る・・・世界そのものを創って世界を変える・・・

「私としては・・・創り変えたくない・・・私は今の友達が居て今の何気ない日常が過ぎていくあの世界が好き・・・だから私としては世界はこのままで良い」

「それはアーサーという存在で簡単に壊れてしまうものだとしても?」

「うん」

ディミュルギアは微笑み私にゆっくりと近付く。

そして私の顎に人差し指と親指を添え・・・キスをした。

「君ならそう言うと思ったよ・・・」

「えっ・・・」

「さぁそろそろ戻ろう・・・君の居るべき世界へ」

その時真っ白な光が全てを包み込み体が軽くなる。

次に目を開いて見えたのはアーサーとお父さんが戦っている所だった。

「体を僕に貸してくれないか?」

「あなたに?・・・良いよ」

「君の体でもアーサーを止めることくらいなら出来るだろう・・・」

ディミュルギアは私の体にそっと触れ中に入り込む。


「杏雛・・・目を覚ましたのね」

僕はVサインをしてアーサーの方へと振り向く。

「杏雛?何をしてるの?」

僕はアーサーの方へと歩み続ける。

「零・・・離れて」

「杏雛?・・・いや違うみたいだな・・・分かった」

零は一瞬にしてアインジュの方へと移動する。

「零・・・どういうこと?」

「あれは杏雛ではなく・・・ディミュルギアだ」

「やぁアーサー」

「・・・ディミュルギアか?」

僕は両手で丸を作る。

「英語で言うとクリエイトブック・・・ダサいね」

「我に何の用だ」

「用件は簡単だよ・・・少女達の聖戦に乱入するのは些か大人気ないとは思えないかい?君は何がしたいんだ?」

「・・・大人気ない?聖戦とは俗に言う戦争みたいなものでは無いのか・・・」

アーサーは剣をしまう。

どうやら戦う気は無いみたいだった。

「いやいや少女達の聖戦なんて可愛いおままごとみたいなものだよ・・・君のそれは弱い者イジメに近い・・・言うなれば圧倒的な戦力で他国を滅ぼす最強の国が君でその国にただ滅ぼされるのが少女達・・・」

「貴様の例えは分かりずらい・・・」

アーサーは一本の剣だけはしまわずに持っていた。

その剣で何をする気なのだろうか・・・

「少し貴様の力を確かめさせて貰いたいのだが?」

「なるほど・・・乗ってあげよう」

僕はVサインを開いたり閉じたりする。

「ふむ・・・なら・・・」

風が少し靡きアーサーはものすごいスピードで近付き剣を振る。

その剣を僕は軽く触れる。

するとその剣は粉々になり風に乗り吹き飛んでいく。

「レプリカで僕と戦うなんてね」

「貴様と戦っても無駄のようだな・・・行くぞガウェイン」

そう言うとどこからともなくガウェインと呼ばれた男が現れアーサーと一緒に消える。

「イェーイ(棒)」

僕はVサインを作り沢山人がいる方へ振り向く。

「ディミュルギア・・・杏雛は?」

「杏雛には体を借りてるだけ僕はもう少ししたらまた本の中へ戻ろうと思うよ」

僕は目を閉じ体の中にある本の中へ意識を集中させる。

「それじゃあ僕は失礼するよ」

「・・・はい」

その後杏雛は気絶するように倒れた。

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