表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

第十幕 時間稼ぎ

「エイスちゃんに殺されなさい!!」

片手に槍を持ち、もう一つの手で目の近くにピースを作りウィンクをしながら明るい声で言った。

彼女は愛され聖戦で私達を殺しに来た・・・

「夏奈!!逃げるよ!!」

「うん!!」

「待ちなさいよーどうせ殺されるんだから〜早めに楽になりなさいよねー」

アンジュが来るまでの時間稼ぎになる・・・それならどこまでだって逃げる・・・

アンジュ・・・早く来て・・・

_____

「これは杏雛?・・・ねぇ行く気は無いの?本体が危ないわよ・・・」

「・・・」

「分かったわ・・・私だけで行くわよ」

待ってて杏雛・・・

_____

「うっ!!」

「ほらほらーいつまで逃げれるかなー」

彼女が槍を振る度に見えない何かが飛んでくる。

それは壁に当たると壁は粉々に壊れる・・・

アレに当たればすぐに死ぬ・・・

すぐに・・・死ぬ?

何かが引っかかる・・・でも今はそれを考えてる暇は無い・・・今はただ逃げるだけに専念しよう・・・

屋上に向かえば良いかな・・・

私は走って階段を駆け上がる。

「大丈夫?夏奈・・・」

「うん・・・大丈夫」

必死に足を動かす。

「はぁ・・・はぁ・・・」

「必死に逃げるその姿・・・捕えられた虫みたいで・・・余計に殺したくなってきちゃう」

屋上への扉まで全力で行き扉を開ける。

「はぁ・・・はぁ・・・」

「どうするの?杏雛・・・」

「・・・アンジュが来ることを私は信じる・・・」

「もう終わり?それじゃあフィニッシュ」

槍を持ち上げ振り下ろす瞬間____

彼女の持っていた槍は空中を舞っていた。

「邪魔が入ったわね・・・」

一本の剣が飛んできた・・・それはアンジュのものだった。

「全く本体だけの時に狙うだなんて・・・」

「あら良いじゃない別に・・・あなたが近くに居ないのがいけないと思うのよね」

「色々とあって来れなかったのよ」

「剣を飛ばすなんて弓矢の使い方間違ってない?」

「私の弓は矢を射るために作られた訳じゃ無いのよ・・・」

制服だったアンジュは魔法の光によって格好が変わった。

そして弓は真ん中から別れ二本の剣になる。

「まぁ丁度良いやアークバビロンがどれほどの力なのか知りたかったのよね」

「行くわよ・・・」

「ほ~らおいでーエイスちゃんが殺してあげる!!」

アンジュはものすごい早さで距離を詰め剣戟を放つ・・・しかし相手はその剣戟一つ一つを簡単にガードしてしまう。

エイスって人・・・相当な強さ・・・

「あなたの攻撃はこんなものなの?それじゃあ私からも!!」

「なっ!?」

アンジュの体勢が崩れた。

相手は槍を一振りしただけ・・・しかしその一振りはとてつもない威力を持っていることがわかる・・・

「どうしたのぉ?隙だらけだよ〜」

エイスはアンジュの横腹に蹴りをいれる。

「うっ・・・」

「こんなに弱いの?アーク・バビロンって・・・何かガッカリ・・・聞いてたのと違い過ぎるし~なんか飽きた・・・だから死んでね」

エイスはアンジュに向かって槍を刺す____

ガシッ____

「そう簡単に刺されてたまるかよ・・・」

口から血が出ており私から見ても痛いのはわかる・・・そのくらいアンジュは酷い目にあっていた・・・

「悪足掻きかな?死んで楽になったら?」

「ふっ・・・悪足掻きかどうかは自分で確かめて見たら?」

アンジュから黒い霧のようなモノが出てくる___

「アーク・バビロンは魔法よりも魔術を専門にやってきた・・・私のこの服はその魔術を極限に使い作ったもの・・・今はコピーだけど・・・それでも能力はちゃんと働いてる・・・」

「何がしたいの?目くらまし?時間稼ぎにもならないわよ?」

「μαύρο ομίχλη

Όταν Shi τυλιγμένο

Ημερομηνία εκδόσεως της αποφάσεως」

「は?詠唱?めんどくさくなる前に!!」

エイスは必死に槍を引っ張るがアンジュが握っている槍はビクともしなかった・・・

そしてアンジュは何も言わず槍を離しそれと同時に霧の中へと消えた。

黒い霧の中感じられるのは夏奈の体温だけだった・・・

夏奈がいることが分かればまだ恐怖も少ない・・・だけどこの状況を作り出したアンジュは一体何をしたの・・・?

「夏奈・・・」

「杏雛・・・大丈夫だよ・・・」

「ありがとう・・・夏奈・・・」

「ねぇ・・・杏雛・・・」

「ん?何・・・んっ!?」

夏奈は勢い良く口と口をくっつける。

あの時と同じ___いや少し違う・・・でもキスには変わりなかった・・・

愛されの儀式の時のキスとはまた違っていた・・・

今度のこれは・・・何だか・・・

「ねぇ・・・どうしたの?夏奈?」

「ごめん・・・でも・・・急に不安になって・・・ごめん・・・」

そう言ってもう一度口を合わせる____

激しくもあり___優しくもある___そんな___キスだった_____

詠唱の意味

μαύρο ομίχλη(黒い霧)

Όταν Shi τυλιγμένο(包まれし時)

Ημερομηνία εκδόσεως της αποφάσεως

(裁きの時)

間違ってたら恥ずかしいww


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ