雨季
ある時だった。
「ねえー、アテナ様、また真琴くんと夕鶴ちゃん、喧嘩しているみたいだよ」
「ふーん。これで何度目かしらね?」
美明は本から目を離さずに呟いた。
「でもねえ。そんなの、本人たちの勝手じゃないの?」
すると、その子は「おー、さすがアテナ様だ。恐れ入りますー」とか言いながら去っていった。
竹田 真琴は、喧嘩っ早く、学校でも有名でガキ大将の様な存在。植杉とは喧嘩仲間だ。
植杉夕鶴は異常な強さを持つー電波系ボクっ娘。虎や龍と呼ばれるほど強く、自分でも神の生まれ変わりだと信じているほどだ。
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どうやら2人とも、『漢字の小テスト』の点数を競っていたらしい。
竹田といえば、この前の体力テストの時に、村上とかいう子に勝負を挑み、大敗をしでかした事で有名になっていた。
本人によれば、「筋肉痛だった」らしいが。
それはさておき、今度は学力テスト(算数)で、網利 成美と末 健人にまたまた点数対決をしたのだがーそれは後で、詳しく触れる。
さて、いよいよ雨季に入り、一晩中アマガエルの鳴く声が聞こえる様になった。
そして、このクラスにも雨季が訪れることとなった。