表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦の華  作者:
2/8

土木華純

「………藍色、ですか」

私の口の中からほろりと声が漏れた。


小豆色、檸檬色、藍色のリボン。


小豆色はトップレベルの証拠。

檸檬色はその次。

藍色はまたその次。


もうお分かりだろうか。

私、土木華純は、様々な分野へのエリート排出を目的とした改築仕立ての私立学校ー井草小学校の児童として迎えられたのだ。

「まあー」

担任はそう言いながら、私の藍色リボンをちらりと横目で見た。

「まあー、藍色だからと言って、差別されることはないし、小豆色の児童が特別な優遇を受ける訳でもない。ただね、小豆色の児童にはなんというか、モチベーションを維持していて欲しいんだよ」

「………モチベーション、ですか」

私は藍色リボンをフライトアテンダントの様な制服につけながら、ぼやいた。「………藍色、ですか」

私の口の中からほろりと声が漏れた。


小豆色、檸檬色、藍色のリボン。


小豆色はトップレベルの証拠。

檸檬色はその次。

藍色はまたその次。


もうお分かりだろうか。

私、土木華純は、様々な分野へのエリート排出を目的とした改築仕立ての私立学校ー井草小学校の児童として迎えられたのだ。

「まあー」

担任はそう言いながら、私の藍色リボンをちらりと横目で見た。

「まあー、藍色だからと言って、差別されることはないし、小豆色の児童が特別な優遇を受ける訳でもない。ただね、小豆色の児童にはなんというか、モチベーションを維持していて欲しいんだよ」

「………モチベーション、ですか」

私は藍色リボンをフライトアテンダントの様な制服につけながら、ぼやいた。


そのわずか10分後、私は教壇の上で意識を失っていた。


頭が真っ白になるという事は、こういう事なのかもしれない。


眼に映るのは、小豆、小豆、小豆、一欠片の檸檬。


今の私の眼は、藍色という一つの色を認識できずにおり、ただひたすら後ろの黒板を凝視することしかできなかった。


「………では、 小田の後ろに座りなさい」


担任は静かにそう言うと、空っぽの席を指差した。

「はい」


そこは、窓際の席で、隣には檸檬色ネクタイの男子が一人、座っていた。


無言で椅子に座ると、一気に今までの記憶が蘇ってきた。

それは同時に恐怖も運んで来た。



そして、私はその日のうちに、この学校は到底私には合わないという事を実感するのであったー


_________________________________






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ