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母と私と入団と
松山のいきなりの入団発言に本気で驚いたが、一番になるためならしょうがないか、と割り切った
問題は母だ、入団するなら保護者の同意が必要だ、母が許すとは到底思えない
「お母さん」
母は、ビクリと、肩を揺らしこちらを向く
「……なに?」
「私、バレーボールの少年団に入りたい」
「バレーボール?……何言ってるの?貴女、どうせ続かないでしょ?」
蔑んだような母の顔、こんな顔今までしなかった
いや、気づかなかっただけかな?
「……わかった」
どうせ、言っても無駄だってわかってたし、無理を押し通す必要もない
「駄目だった」
松山に報告した
「……こうなれば奥の手だ!」
「は?」
松山はどこかに電話し始めた
「もしもし、あの入団手続きをお願いしたいのですが……はい、えぇ女の子です、小学2年生の……はい!それでは明日伺いますね」
松山は電話を切りウィンクした
「明日は、遅くなるようお母さんに言っときなさい」
「馬鹿がいる」
こうして、私は駅が2つ離れた地域の少年団に訪問することになった