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skip!!  作者: えんてる
4/12

あの時私を見切ったの


松山が神妙な顔付きで語り始めた


「僕が初めて自分のバレーでの教え子を持ったのは二十歳の時だった」


当時の松山は、熱血で今とは比べ物にならないくらい気象が荒かった

そんな松山は、あるバレーの強豪校からコーチとして働いて欲しいとの要望があった

松山は二つ返事で了承した


どの選手も才能があった、どの選手もバレーに真剣だった、どの選手も松山には同じに見えた


松山は、数ヶ月でその強豪校のコーチを辞めた


その後、なんども他の強豪校のコーチに就任したが、どの選手たちも松山には同じに見えた


底が知れてる、上手いがそれまでの実力


松山は、勝手に失望し勝手にバレー界から身を引いた


二度とバレーをするものに期待なぞするものかと誓って


「でも、杏樹、君がいた」

この歳にしてありえないくらいのバレーセンス、少しの間しか見てないが、明らかに今までの選手とはオーラが違った

松山は、杏樹に自分の夢を叶えて欲しかった


「一番になって欲しい」

至って真面目な松山の顔


「一番……?」


一番、1番、number one?


「日本で……いや、世界で一番のバレー選手に」


君は成る



なんだ、なんなんだ、この松山の表情は

キラキラと子供のような無邪気な笑顔

前の時はこんな顔しなかった


前の時……?

……あぁ、彼は見切りを付けたのか

前の私に……バレーを投げ出した私に


だから、あの時私を見切ったのか


あの時?あの時って?


あぁ、覚えてない
















でもいいか、前の私は関係ない

いやになったら放りだそう















「いいよ、乗ってあげる」



私が、一番になるよ



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