私の色
「アンジー!!」
珠生歩美又の名をタマは、休憩時間になると毎回走りよって来る
「みてみてみてみて!!」
ぐいぐい、と押し付けられる物に目を向けた
「……ステンドグラス?」
「そーうなの!!綺麗でしょ!?うちが作ったんだ~!!」
確かに綺麗だ、雪の結晶の様な六角形で、銅色の鉛の枠にガラスが埋め込まれている。
6つのガラスのうち1つだけ、黄色いガラスがあった。
「アンジーのイメージカラーだよ!!」
得意気に笑うタマに眉をひそめた
「イメージカラー?黄色が?」
「うん!!」
黄色が私のイメージカラー……
「アンジーは、黄色が一番似合うよ!!」
「……」
「うちね!アンジーはたんぽぽみたいだなって思ったの!!」
「は?」
今度こそ絶句
私がたんぽぽ……
「もう行かんと!!じゃぁね!アンジー!!」
タマは、練習に戻って行った
「黄色ね~」
ニコニコした顔の松山は、昨日貰ったステンドグラスを見ていた
「確かに、君は黄色かもね」
「は?先生も本気で言ってる?」
松山は一人納得した顔をして、笑った
「そのタマちゃんとやらは、君のことをよくわかってるんだね~」
「……なわけ」
「まぁ、成長してけばわかるんじゃないかな」
「なにそれ」
松山は終始笑顔だった