第9話
私こと堂本薫は転入して2週間がたちました♪
いまさっき学校は終わったんだけど………
「あ〜………今日は用事があるから先に帰ってくれ」
「え!?…あ!わかった」
私は心の中で『またなの?』と呟いた
「悪いな」
タクちゃんは顔の前で手を合わせながら謝ってきた
「タク…用事があるなら早く行かなきゃマズいんじゃないの?」
「お、おう!じゃ〜なケン」タクちゃんは走って教室を出て行った
「拓也ってさぁ〜……週に2回程『用事がある』って言っては走って帰るわよね?」
そうなんだよね
用事ってなんだろう?
家に帰ってきてから聞いてみても別の話をして誤魔化されるちゃうんだよね………
「うん……瞳は用事が何か知らないの?」
瞳は首を傾けて
「バイトじゃないのよね?」と聞いてきた
「それはナイと思う…タクちゃん叔父さんが経営している居酒屋でしかバイトしないみたいだから」
「なんの話し?」
ケンちゃん再登場
「ケンちゃんはタクちゃんが何の用事で帰ってるか知ら
「ボクハ何モ知リマセンヨ?」
答えるの早くなかった!?
しかもなんで片言&敬語なの?あ………瞳が……瞳がケンちゃんを睨んでるよ
正直……瞳が怖いよ
「健太なにか知ってるわね?」ケンちゃん笑顔だけどスゴイ汗かいてる
「し、知らないよ………あ!僕も用事があるから帰るね」
と言うなりダッシュで教室から逃げてった……
「!……逃げられた」
私もあんな瞳に睨まれたら逃げちゃうと思う
「ケンちゃんは知ってるのかな?」
「たぶん知ってるだろうけど……健太のことだから100%言わないでしょうね」
「そうだね」
ケンちゃんは人の秘密を絶対言わない
それは昔からそうだった
「あぁ〜気になる!!」
瞳はそう叫んですぐに『ハッ!』とした顔になった
「薫……もしかして拓也の用事って彼女とデートかもよ?」
「え?!」
タクちゃんに彼女が!?
用事ってデートのことなの!?
「か、薫??」
「そうなの!?デートなの?!タクちゃんに彼女いるの!?ねぇ瞳!!!」
「落ち着きなさい!!く、苦しい………」
ハッ?!私としたことが………興奮のあまり瞳の首を絞めちゃった
「ゴメンなさい!」
瞳の首から素早く手を離す
「苦しかった〜…………」
「ごめんなさい」
再度謝る
「まぁ〜許して上げるわ。それに拓也に彼女がいるって話しは今まで1度たりとも聞いたことないから安心して」
「そうなの!?」
安堵の溜息をつく
「はぁ……よかった♪」
「よかった?そんなに拓也が好きなの?」
「ふぇ?!」「あんなに騒がれれば誰でも判るわよ?」
「あう……」
顔が………熱いよ
「仕方ない。今度後つけるわよ」
…………え!?
「ダメだよ!!もしタクちゃんに見つかったら怒られちゃうよ!」
「大丈夫だって♪拓也が好きなんでしょ?気にならないの?」
「それは……気なるよ」
「じゃ〜決まり♪」
何かとんでもないことになっちゃったよ…………………




