第8話
「タクちゃん帰ろ♪」
薫が俺に、俺が薫に話しかけるたびに皆さんザワつかないで下さらない?
「はいよ………あ!」
………………忘れてた
「なに?どうしたの?」
「今日は病院行かなきゃ〜ならん。よって一緒に帰れない」
「…………付いて行っちゃダメ?」
キター!! その上目遣い反則だって………
「行ってもツマらないぞ?それでも行く?」
「それでも行く!」
「はいはい。じゃ〜行くべ」「行くべ!!」
真似をするな!!!
「ケン、また明日な」
「うん!また明日」
「瞳バイバイ!」
「ばいばい♪」
「最近痛みは?」
只今……真田病院の医院長で、俺の担当の真田剛先生によって診断中……ぶっちゃけケンの親父
「とくにないです」
「そうか!でも無理してはいけないよ?あと強い衝撃を与えないこと。いいね?」
「はい」
また無理してあんな思いするのはゴメンだ
「では今日はこれまで。次は2ヶ月後に来てね」
「ありがとうございました」
おい…………薫よ
たった5分の診断の間で寝るな
現在俺の目の前にはイスに座って口を開けて寝ている薫が居る
まったく…コイツは
「おい薫!起きろ!」
「ふにゃ?タクちゃん終わったの?」
「おう!ほら帰るぞ」
「はぁ〜い♪」さっきまで(5分間のみ)寝てたのに元気な奴やな
「膝どうだったの?」
「特に異常なし。ただ無理しないこと。また強い衝撃を与えないことだとよ」
「そう……無理しちゃダメだよ?」
「へぇ〜い。」
「分かれば宜しい。」
「調子に乗るな!」
薫の頭を軽く叩く
すると薫は頭を押さえながら
「もう!」
なんて言って頬を膨らます
その一つ一つの動作が可愛く見えて………ってなに考えてんの俺??!
「タクちゃん?どうかしたの?」
「え?なななんでもないぞ?」
ヤバい冷静になるんだ俺!!!
「ほんとに?」
そんな疑いの目を向けるな
さらに動揺しちまうじゃねぇか!
「ほ、ほんとにほんと。さっさと帰るぞ」
案の定…声が裏がえった
恥ずかしさのあまり歩く速度を上げた
「待ってよぉ〜!」
この後は普通の……ほんとに普通の話をしながら帰った
でも他の人と話しているより、薫と話をしている方が楽しい
何でかは解らない………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………いや本当は解っているのかも知れない




