最終話
今までお付き合いいただき……ありがとうございました(T^T)
薫を後ろから抱きしめてから何分経ったんだろう?
わからない……
だけど幸せだ
ふと薫の胸元に目をやるとハート型のネックレスが、指に目をやると前にプレゼントした指輪とは違うシルバーの指輪がしてあった
次に自分自身の指に目をやる
薫と同じ指輪がある
「ちょっと!何時までそうしているつもり!」
おっと
閻魔大王のご登場だ
まあ此処教室だしね(笑)
「雪が降ってきそうなんだから早く帰るわよ」
「「はぁい」」
『僕たち幸せです』オーラ出しまくりですけど何か問題でも?
「拓也♪」
微笑む薫に手を差し伸べる
「えへへ♪」
ぎゅっと握って歩き出す
握る度に思ってしまう『もう寂しい思いはさせない』と
薫からこの1年半の寂しがったことの1つにコレが入っていたからななんだけどね……
俺がこの町に帰ってきて5ヶ月経った
インターハイは3回戦敗退で終わってしまった
そして引退が決まってすぐにこっちに帰ってきたのだ
古くも新しくもないアパートのとある部屋の前で立ち止まりポケットから鍵を出し扉を開ける
「「ただいま」」
返事はない
当然だ
ここは俺と薫の家なのだから
家に入りストーブのスイッチをオンにする
「薫……」
「なぁに?」
今度は正面から抱きしめキスをする
「俺すげえ幸せ」
「私も」
俺はまだ生まれてきて18年だ
でも残りの人生を共に過ごす愛する人が側にいる
幸せだ
大切な人達が俺と薫の結婚を心から喜び祝ってくれた
幸せだ
薫と手をつなぐこと
薫と話をすること
抱きしめること
その1つ1つが幸せだ
だから心からこう想い、言葉にできるんだ
「愛してる」
――――END――――