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RAN&JUMP  作者: 月明かり
47/53

第47話

なんだこれ(笑)

「薫!こっちこっち!」


後ろから大声で私を呼ぶ声がしたので振り返る

そこには私が好きな人が笑顔で手招きしていた


「写真撮るよ!早くきなよ!!」


隣にはずっと一緒に過ごしてきた友人もいる


「今行く!」


駆け足で2人のもとへ行く


「母さん。みんな揃ったよ」


「はいはい♪じゃ〜撮るわよ♪」


さっきまで卒業するのが悲しくて泣いていたのが嘘のような眩しい笑顔を3人がカメラに向けられる


《カシャ》


「はい。次は2人づつ」


タクちゃんのお母さんの指示により2人づつで写真に写る

最初にタクちゃんとケンちゃんで次に私とケンちゃん

最後に私とタクちゃん


「笑って笑って」


タクちゃんはいきなり手を私の肩にまわした


《カシャ》


「薫ちゃんの薫真っ赤になってるわ」


だって好きな人にいきなり肩に手を回されたら……ねぇ?


「薫」


聞き慣れた声がした


「ママ……」


「わかってるわね?」


「うん……」


一気に私のテンションはがた落ちした

ママは最後に 「6時までよ?」 とだけ言い残して先に帰って行った


「薫?」


「え?あ…なに?」


タクちゃんはジッと私の顔を見てきた


「元気ないな…」


「だってあと5時間したら遠いところに引っ越すんだよ?嫌だよ…」


「僕も嫌だな…」


(この頃拓也は自分のこと『俺』ではなく『僕』と呼んでいたのです! By薫)


「タク!薫!公園に行くよ!」

遠くからケンちゃんが私たちを呼ぶ


「行ってらっしゃ〜い♪」


おばさんに見送られながら私たちはいつも遊んでいる公園を目指した

公園に着くと昨日用意していたシャベルを使って桜の木の前に穴を掘り始めた

掘り始めて2分過ぎた頃私達はある過ちに気づく



「いったん帰らないと手紙ないじゃん!」


タクちゃんの叫び声が公園に響きわたった

あぁ……小さな子がタクちゃんを変な物を見るような目で見ている


「私も……ない」


「入れ物もないしね」


なぜかケンちゃんは余裕だった

「僕はまだ掘ってるから2人とも一回家に帰ってまた来なよ。2人が帰って来たら僕も手紙取りに帰るから」


「わかった。よし走るぞ!」


「うん!」


後ろから

「入れ物忘れないでね!」と聞こえた


公園から家までは走れば5分くらいで着く

そして私達は5分でついたのだが……


「ぜぇぜぇ…1分ゲホ!以内に…ね」


「おう…」


私は息が上がりまくって苦しかった

タクちゃんはバスケをしているからか分からないがあまり息が上がっていなかった


1分後


見事合流し、また5分かけて走るのであった


「ぜぇぜぇ…げほげほ!」


喋れない域まで達してしまいました


「おいおい…大丈夫か?」


私はただただ首を縦に振るしか答えるすべがなかった


「じゃ〜僕は行くね」


走ってケンちゃんは公園を出て行った


「じゃ〜穴掘り……マジ?」



タクちゃんは驚きのあまり顔がヒキツっている

何に驚いているか分からなかったがすぐに分かった


「2メートルは軽くいってるね」


ケンちゃんは1人で穴を掘り終えていたのだ

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