第40話
今日からまた更新を再開していきます(*_*)
《ガシャン!》
今見ている光景が現実でないように思えた
でもこれは現実だ
前に見た悪夢が現実となった
私の目の前で大切な人が車に…
「拓也!」
走って倒れている拓也の傍に行き名前を呼ぶ
「タク!っ元希救急車呼んで!!瞳と桜はそこにいて!」
隣にきたケンちゃんが指示をだす
「わわかった!」
いつもは冷静沈着の元希が慌てている
「親父!?僕だけど拓也が車にひかれて!脈?!まだある!!それで―――」
ケンちゃんはおじさんに電話をしている
「……か…おる」
「拓也!聞こえる!?」
手を握ると微かに握り返してきた
「おと‥こ‥のこ‥は?」
横に目をやると男の子には怪我はなく立ち上がって母親に抱きつかれている
隣には泣いている女の子がいた
「無‥事だよ」
私は堪えきれず涙を流してしまった
「よかっ‥た」
力なく微笑むと握っていた手から力が抜けた
「た‥くや?」
「…………。」
返事がない
うそ……
いやだ……
「嫌あぁぁ!拓也?!目を開けてよ!拓也!!」
「タクっ……脈はまだある……っ!!」
手首に手を当てていたケンちゃんの目が大きく開かれる
手が震えている
「頭を…打っている」
「……………。」
目の前には『手術中』の文字が光っている
誰もが口を開かずにただ静寂が私達を支配していた
拓也が運ばれてからすでにもう4時間が経った
ケンちゃんの情報のおかげで早く措置ができると言っていたのに………
もう4時間………
「「「「「!!」」」」」
ランプが消えみんなが立ち上がる
扉が開き医者が1人現れた
「拓也は?!」
私は叫ばずにいられなかった
大切な人がこの世からいなくなるなんて考えただけで身が引き裂かれるような想いになる
「大丈夫ですよ。命に対する心配はありません」
そう言った後に医者から微笑みが消え深刻そうな顔つきになった
「ただ頭を打っているためいつ目を覚ますかわかりません。最悪の場合一生目が開かれることがないことも……」
私は目の前が真っ暗になった
目を開くと白い天井が見えた
もしかしてさっきのはすべて夢?
「薫?」
「瞳…桜…」
横に目をやると目が真っ赤になっている瞳と桜がいた
その光景を見てやはり事故は現実に起きていたんだとわかった
「拓也は?」
「薫の隣のベッドで眠ってるわ」
逆方向に体を向けると眠っている拓也がいた
「拓也……」
ベッドから立ち上がり横のイスに腰を下ろし手を握る
手からはいつものよいに温もりが感じられた
「瞳…」
「……うん」
2人は病室を出て行くと代わりにケンちゃんが入ってきた
「さっき叔父さんたちに電話してきたよ。明日には帰ってこれるって」
「そう……」
頭を撫でる
「拓也……」
名前えを呼んでも反応がない
拓也……
貴方はどうしたら目を覚ますの?
笑ってくれるの?
手を握ってくれるの?
キスしてくれるの?
また涙が流れた




