第37話
朝起きると一緒に寝ていたはずの薫は居なくなっていた
「タクちゃんおはよう♪」
珍しく朝から元気だな……
「おはようっていつの間にか俺の背中に回ったんだ?」
明らかに寝たときの位置が変わっているぞ
「起きたら変わってたよ」
俺の寝相が悪いのか…
それとも薫の寝相が悪いのか……
間違いなく後者だな
「下に行くか」
立ち上がり背伸びをする
まだ少し眠い…
「うん…タクちゃん」
「なん」
最後まで言い終わる前に薫の唇が俺の唇に重なった
「えへへ。おはようのキスするの夢だったんだよね」
「そそそうか」
眠気はどこかへ飛んでいった
下に降りるとすでに皆起きていた
1人ニヤツいている…
まぁ誰と言わなくてもわかると思うが念のために言おう……
閻魔大王……と
「なに朝からニヤツいてんだよ?」
予想はできている
どうせ薫とほにゃほにゃしたのか聞く気だろ?
そんなことは昨日の時点でわかっているんだよ!
フッ……………
さぁ聞くがいい!!
すでに反論するための言葉は考えてある
「拓也…」
さぁこい!
「これ」
「へ?」
間抜けな声を出してしまった
なんせ瞳は俺の予想を見事に裏切りデジカメを渡してきたからだ
「これがどうしたの?」
薫の言うとおりコレがどうしたんだ?
「電源入れてみて」
「「?」」
言われたとおりに電源を入れる
……………。
「「な?!」」
デジカメの画面から瞳に視線を移すと鍵の束をこちらに見せびらかしていた
「いや〜抱き合いながら寝るているとは思わなかったわ。記念に1枚撮らせてもらったから」
「頭きた……」
……………。
10分後
立場は逆転していた
それもそのはず
こんな時のためをと思い瞳の恥ずかしい画像を携帯に納めていたのだから
「すいませんでした…」
「もう2度とするな」
「……はい」
この後は俺と瞳は条約を結び平和的に解決した
「では行くわよ?」
誰もが『ドコに?』と言いたかった
ただ瞳の眼がそう言わさせてくれなかった……
別荘の使用人が運転する車に乗り目的地に向かった




