第35話
《ピピピピ》
携帯のアラームを止めようとして手を伸ばす……
何か柔らかいモノが……
ここ俺の部屋でベッドのはず………
恐る恐る目を開ける
「うぅん」
「!!」
叫び声を上げず、下に落ちないように頑張りました
だって母さんに消される(なぜか親父も…)かもしれないからさ(泣)
前回と同じく薫が目の前(布団の中に潜りこんでます)にいる
言っておくが何もヤラしいことはしてないからな!
まずアラームを止めて……
しばし寝顔を観察
「…………。」
抱きしめたい!
いやダメだ!
……………………………………ぬぉーーーーー!!
「プッフ……」
今笑ったよな?
「………お前120%起きてるだろ?」
「……………。」
寝たフリをするな!!
明らかに俺が悶え苦しむ姿を見て吹き出しただろうが!!
フッフッフ……
こちらにも考えがあるのだよ
静かに手を伸ばし
グイ!っと薫を抱き寄せる
「キャ!!」
「ほら起きてんじゃん」
目が合う
「おはよう♪」
「『おはよう♪』じゃない…悪戯はよせと言っただろうが」
「それより伝言…じゃなくて置き手紙です」
それよりって………
もう……いいや
紙を受け取り読み始める(片手は薫の背中に手を回している)
「え〜と『おはよう拓也
今日から2週間私たちは薫ちゃんのご両親のもとに遊びに行きます
生活に必要なお金はテーブルの上の蜜柑を入れている籠に入ってることでしょう
では行ってきます
母より』…………」
「びっくりした?これ朝の2時に見つけてすぐに叔母さん達の部屋に行ったらもう居なかったよ」
なぬ!!?
しかも2週間かよ!
朝から疲れる………
「起きるか……」
薫から手を離そうとするが逆に抱きついてきた
「外……」
外?
外がどうしたんだ?
「くら!今何時だ!?」
携帯に目をやる
2時8分………
「起こしても起きないからアラームを早めたの」
「…………。」
早めたレベルじゃない!
うっ!
強烈に睡魔が………
「寝直すから薫は早く部屋に戻れ」
「いや……このまま一緒に寝る」
そういって俺の胸あたりに顔を埋める
嬉しいよ?
嬉しいけどさ……
ドキドキして寝れないって!!
「お前何…言っ……てん…だよ」
前言撤回
今なら寝れる
「スゥ……。」
寝たのかよ!?
はやくない??
って俺もそろそろヤバい……
結局薫と抱き合った状態ままで眠りについた
―――――――――――
「眠い……今何時…!!!薫起きろ!!」
「もう少し…フニャフニャ……」
「起きろって!」
薫の体を揺らす
「もぉ〜どうしたの?」
まだ眠いのか体は起こしているのに目は開いていない
「もう8時なんだよ!」
「……何時に空港集合だっけ?」
「8時40分だ………」
薫の目が一瞬にして開かれた
「急いで用意するぞ!」
「はい!」
さて諸君……
なぜ我々が急いでいるのかというと今日が12月31日だからです
遅刻したら瞳が怖い!!
だから慌ててるのさ…




