第34話
「なんなの?こんなとこに連れてきて」
「ゆっくり話がしたくて此処に連れてきた。だってお前最近変だからさ」
確かに変だと思われても仕方がない
元希にたいする気持ちに気づいてからはドキドキして目は合わせれない、話もできない状態になっているのだから………
「別に普通よ!それより早くプレゼント渡しに行かなくていいの?みんな帰り始めてるわよ」
行ってほしくないけど仕方ないよね……
「はぁ……ほら」
「え?」
元希が何かを投げてきた
《パサ》
キャッチした私は驚いた
「ちょ……これ好きな子に渡すんじゃなかったの!?」
そう……
投げられたモノは前に病室で見たプレゼント入りの袋だった
「そうだけど?」
「『そうだけど?』じゃない!何で私に投げつけるのよ!!」
「だ・か・ら!好きな子に渡すプレゼントだって言ってんじゃんかよ」
「だ・か・ら!何で私に渡すのかって言ってんの!!」
意味が分からないってぇの!!
あぁ〜イライラする!
「いい加減わかれよ……」
「なにをよ!!」
なにをわかれって言うのよ!?
「俺の好きな人っていうのはお前のことだ。だからプレゼント渡したんだよ」
「はい?」
思考停止…………
「あぁーもーーー!だから俺はお前……桜が好きなんだよ!!」
「えぇーーーー!?」
うそ?!
冗談じゃなくて!?
「嘘でも冗談でもない…まぁお前は拓也が好きなんだろうけど……プレゼントは受け取」
私は元希に抱きついた
「私も元希が好き……」
耳元で囁く
「はぁ?お前拓也が好きなんじゃなかったのか?」
「違う…元希が好きなの!!」
「なんで?」
なんでって……
「実は………」
好きだと気づいた時のことを話している間元希は私をギュッ!と抱きしめていてくれた
「ようは自分相手に嫉妬してたのか?お前バカだな」
「バカってなによ!?だいたいアンタはい」
「幼稚園から」
心読むのやめてくれない?
って
「そんな前から?」
「うん……桜…今から起こる出来事に驚くなよ」
何のこっちゃ
「そこの4人!!でてこい!」
は?
「「「「はぁい」」」」
この声は!?
まさか……
「見ちゃった♪」
「いや驚いたわよ」
「まさか元希の好きな人が桜だったとはね」
「おめでとう♪」
「いつからいたの?」
「「「「初めから♪」」」」
………ありえない
「桜なにもらったの?見せて!」
「そういえば………ピアス」
かわいい……
「かわいいじゃない!元希やるわね」
瞳冷やかしすぎ
あ!お礼言わなきゃ!
「元希…ありがとう♪」
あれ?
元希の顔が赤くなった
「あ〜れ〜?もしかして照れてるのかな?」
ケンもからかいすぎ!
「ケンうるさい」
すごい殺気が……
「皆帰ろうか?」
逃げたな……ケン
「賛成だな。薫」
「はぁい」
拓也と薫は仲良く手をつないで歩き始めた
例のアノ格好のままで
「健太私たちも」
「はいはい」
瞳達も……
いいなぁ………
不意に元希が私の手をつかみ歩き出した
「え?ちょっと元希??」
「羨ましそうに見てたからな」
ドキドキするからいきなりは止めてほしい……
「元希……」
「なんだよ?」
「大好き……」
「俺もだよ」
久しぶりに元希の笑顔を見た
嬉しくて今日は寝れそうにない




