第25話
コメディー要素なしです
《キーー!》
《ガシャン!!》
私はその音に驚きながらも音がした場所に目を向ける
見てみると誰かがトラックにひかれたみたいだ
私は近寄ってひかれた人の顔を見て驚愕した
なぜならその人は私の世界一大切な人だったから
彼の名前を呼ぶ
返事がない
動かない
私は諦めずに名前を呼ぶ
でも私の声は彼には届かない
それでも私は名前を呼び続ける
「タクちゃん!!」
私は叫びながら上半身を起こす
ここは…私の部屋?
「夢…だったの?」さっきのは夢だったの?
でもとってもリアルだった
もし夢じゃなかったら?
そう思うと怖くなった
私は隣の部屋へ急いだ
そして部屋の前で立ち止まる
もしドアを開けて彼がいなかったら?
イヤだ……
お願いだから居て!!
私は恐る恐るドアを開けた
《ガチャ…》
……居た
「薫…目が覚めたのか?」
タクちゃんが居る
そのことに安心したら涙が流れた
―――――――――――
どうしたのだろう?
今俺の目の前で大切な人が……………薫が泣いている
「薫どうしたんだ!?」
薫に近寄って両肩に手をやる
「タクちゃん!!」薫は俺に抱きついてきた
まだ泣いてる
抱きしめながら頭を優しく撫でる
「薫…なんで泣いてるんだ?」
「あのね……グスッ!夢をみたの………怖い夢だった」
怖い夢?
「どんな怖い夢だ?」
泣くほど怖い夢だったのだろうか?
ならなぜ俺を見て泣き出したんだ?
「グスン!……タクちゃんがトラック………」
俺がトラック?
?????
「タクちゃんがトラックにひかれて死んじゃう夢をみたの!」
「…………っ!」
薫は俺がいなくなる夢をみて泣いている
泣いているのは俺がいて安心したから
嬉しかった
薫が俺をそこまで想っていてくれていることが嬉しかった
「馬鹿!俺はそんな簡単に死なねぇよ」
「……だったら約束して」
泣きやんでいるが涙目だ
「約束?」
「絶対に死なない…居なくならないって約束して」
「約束する…大丈夫。ちゃんと約束は守るよ」
笑顔で答える
「誓いのキスして……」
「あぁ」
優しいキスをする
約束を守るための………
誓いのキスを




