第22話
「拓也!た、大変よ!!」
「瞳…朝からうるさい」
走って教室まで来たのか瞳の呼吸は乱れていた
「そ、そんなこと…い、言うわけ?あんたに関わることなのに……」
「すいませんでした!で何が大変なんだ?」
俺に関わっていて大変なこと………なんか恐いんですけど?
薫の呼吸が普通に戻った
「アイツ等が帰ってくるのよ!」
誰がだよ!
……ヤバい………………1つだけ心当たりが……
「まさか……桜と元希じゃないよな?」
どうか違いますように
「そのまさかよ」
「「……………。」」
「?????」
俺とケンは凍りついた
薫はキョトンとしている
「「いつ帰ってくるんだ?」」
できるだけ遅くなることを切に願う男組
「今日よ…………」
「「みんな久しぶり!!!」」俺ら3人は声が聞こえた方向をみる
「拓也元気だった?会いたかったよ〜〜!」
そう言って1人の少女が飛びついてきた
ぎゃ〜〜〜〜!!
この体勢じゃ避けれね〜〜〜〜〜!!
って薫の目が恐い!!
《ドゴ!!》
瞳が俺に飛びついてきた少女を木製のバット(どこにあったんだ?)で叩き落とした
「痛ったあぁぁ!!ヒドいじゃん瞳!」
「相変わらず頑丈ね」
「瞳ナイス判断だ」
「みんな久しぶり」
少女と一緒に教室に入ってきた少年が話しかけてきた
「「「元希は歓迎する」」」
「ありがとう」
相変わらずクールだな
「ちょっと私は?って誰この子」
視線の先には薫が居た
「私はこの前転入してきた堂本薫です」
「あ、あの噂の?」
なんの噂だよ
「私は吉野桜よ!でこれが田中元希」
「よろしく堂本さん」
「薫でいいよ」おぉ〜!!
なんて眩しい笑顔なんだ
「お〜いHR始めるぞ」
担任が来たので強制的に会話終了
ーーーーーーーーーーー
「イギリスに旅行?」
現在昼休み
事情を知らない薫に2人が説明している
ちなみに6人で食事中でもある
「そうなの!私達の親同士が仲良くて時々みんなで旅行に行くの」
桜テンション高すぎ……
「俺はコレのおかげで1日1日の疲労が半端ではなかった」
安易に予想できるぜ元希
お前が桜によって死にそうになっている姿がな
「そういえばさっき何で桜はタクちゃんに飛びついたの?」
「タクちゃん!??なにその呼び方は?!どういうこと?」
ヤバいヤバいヤバい
またアレが始まる
ケンと瞳そして元希は可哀想な目で俺を見ている
てかちゃんと助けてね
「え?だって昔からタクちゃんとケンちゃんはそう呼んでるからだよ?」薫は不思議そうに言う
「なぁんだ!え〜とさっき私が拓也に飛びついたのは久しぶりにフィアンセに会えてうれしかったからよ」
またまた空気が一瞬で凍りついた
気が付くと俺ら以外のクラスのみんなは教室の外に避難してる………
「タクちゃんどういうこと?」
薫の目が恐い!
俺はすぐにケン達にアイコンタクトで助けを求めた
『助けて』
『『『了解』』』
「タクちゃん聞いてるの!?」
怒鳴りだした薫を瞳がなだめる
「違うのよ薫!あれは勝手に桜が言ってんの」
「そうだよ薫」
ナイスタイミングだケン
「何言ってるの瞳?拓也も私のこと認めているよ」
認めてねぇ〜〜
と言う前に薫がキレた
「タクちゃんのバカ!アホ!最低!変態!浮気者ー!!」
好きな女の子にここまでボロクソ言われるとさすがにキツい
特に最後のセリフとかね
「何ヒドいこと言ってるのよ薫!!拓也が」
《ドッゴーーン!》
すごい鈍くく大きな音に全員が静まりかえる
「とにかく落ち着いて話し合え」
音を出した張本人である元希は冷静にそう言った
大きな音は元希の拳が黒板を叩いた音だった




