第19話
《ピリリ》
俺は目を瞑りながらも音の根元である目覚ましを止める
「寝みぃ……」
と言いつつ目を………
此処ベッドの上だよな?
「うわぁぁぁ!?」
《ドゴン!》
ベッドから転げ落ちた
「……ん?タクちゃんおはよう♪」
「『おはよう♪』じゃねぇ!なんで薫が俺のベッドに居るんだよ!?」
そう……目を開けると…目の前には天使のような寝顔で薫が眠っていたのだ
《ドタドタドタ》
《バン!》
「拓也どうし……!?」
先程ベッドから転げ落ちた音と叫び声を聞いた母さんがビックリして部屋にきた
でもこの状況を見て固まってる
「「…………。」」
ヤバいヤバいヤバい!!
「おはようございます♪」
なに普通に挨拶してるの薫さん?!
「え?お、おはよう薫ちゃん……」
沈黙
「拓也…あんたまさか!?」
「違う!断じて違う!」
焦る俺
さらに親父登場
「どうしたんだ?母さん………拓也とうとう薫ちゃんとヤッ」
「「寝てろクソ親父!!」」
俺と母さんの蹴りが見事にヒットする
「ホグワー?!!」
親父3度目の気絶
「さて説明してもらいましょうか?」
現在着替えを済ましリビングにいる(親父以外)
「俺も何なのか……目を覚ますと隣で薫が寝てた……って薫!」
「え?!なに?」
「なぜ俺の部屋に……いやいつから俺の部屋にいた?」
返答しだいでは俺が親父の二の舞に……
「えぇ〜と…朝5時頃にたまたま目を覚ましてタクちゃんを脅かしてやろうと思ってベッドに入ったらそのまま寝ちゃったの」
いやそこ笑顔で答えるところじゃないから
とりあえず命の心配はなさそうだ
「よかったわ…もし私の考えてることだったなら拓也と父さんはこの世から消えていたわよ?」
なぜに親父も?
母さんもしかして親父のこと嫌いなのか?………まぁ〜どっちでもいいや
俺は薫が座っている方向に体を向ける
「薫よ……今後このような悪戯は禁止だ。俺が消去されてしまう」
「え〜………わかった」
納得しろよ………
朝から疲れた
ーーーーーーーーーーー
「おはようお2人さん……タクなに疲れてるの?まだ朝だよ?」
「ケン……実は朝から…」
説明中…………………………終了
「なるほどね。それは災難だったね」
ケンは苦笑してる
「薫…次したら部屋への立ち入りを禁止するぞ」
「ごめんなさい!もうしません」
「『恋人』っていう関係になったのに2人とも変わらないね」
笑いながら言うな
「1日で変わるわけないだろう?」
「でも昨日キスしたよ♪」
「「…………。」」
言っちゃったよ
また暴露しやがったよこの娘は!!
「……ハハハ」
笑うしかない
もう笑うしか
「タクちゃん?どうしたの?」
「頼むから付き合っていることとキスのことは誰にも言わないって約束してくれ」
「え!?なんで?!」
自慢する気だったのか!?
「俺がこの世から消えてもいいのなら言え」
「わかった…言わない」
薫は頬を膨らませている
まったく納得してないな
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「3人ともおっはよう!」
朝から元気だな瞳……
「「おはよう♪」」
「おっす……」
「ちょっと拓也!なに朝から死んでんのよ?」
「説明するのメンドクサい………ケン頼んだ」
「わかった。実は……」
説明中…………………………終了
「拓也…言いたくないけど言うね……ご愁傷様」
「勝手に殺すな!まだ死んでねぇ!」
「だって……アレ」
と言って瞳は横に指を指す
「は?なに………………俺は死ぬのか?」
「高確率で死ぬわね」
瞳が指さした場所には黒板がある
俺は今わかったよ
教室に入ってなぜ男共に殺意に満ちた目で睨まれたのかを……(なぜか女子たちは涙目で俺を見ていた…なんでかな?)
黒板には『椎名拓也と堂本薫は付き合っている』と書いてあるのさ
泣いてもいいですか?




