第18話
「瞳誰か来たか?」
「まだ5分前だからきてないみたい」
よかった
………ん?
「なにジロジロニヤニヤと俺見てんだよ」
「実はさっきの話健太の携帯から聞いたわよ」
「…………へ?」
えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!?
「ケ〜〜〜〜ン!」
ケンやはり貴様は処刑だ
「手紙の主が来る前に薫に自分の気持ち伝えてきなよ」
瞳は真剣な眼で俺を見る
「でもよ……なんて言えば」
《ドン》
瞳とケンに蹴られてかなり吹っ飛んだ
倒れたときに打った腕が痛い
薫と眼があった
マズい………
「なにしてるのタクちゃん?」
「いや〜いい天気だな」
「へ?」
なに言ってんだ俺?
いや実際なに話していいかわからん
薫は困った顔してるし
しかたない言うか!
「あのさ〜」
言うぞ
「うん」
言うぞ
「いい天気だな?」
「はい?」
無理言えないって!!
時計に目をやる
ヤバい3分前だ
もう手紙の主が現れてもおかしくない
しかたない
言うぞ
ひとまず深呼吸っと
「すぅー……っはー」
「???」
なんとか落ち着いた
「タクちゃん?」
「薫…今から俺が言うこと笑わずに聞いて」
いつになく真剣な顔の俺に薫は少し動揺したような気がした
「うん……」
「俺はここに来るまで焦っていた。薫に恋人ができたらイヤだから」
「なんで…イヤなの?」
薫の表情から緊張していることがわかる
「それは……」
俺は笑顔で答える
「薫が好きだからだ」
薫は驚いてる
ダメだなこれは…
フラれたな………
「タクちゃん!!」
薫が急に俺に抱きついてきた
「か、薫?」
「私もタクちゃんが好き」
薫の頬が少し赤い
いや、それより……………
マジで?
再度確認
「マジで?」
「マジで♪」「これは夢か?」
「夢じゃないよ」
ヤバい……顔が熱い
『キンコーンカーンコーン』5時を知らせるチャイムが鳴った
ギリギリセーフだった
あれ?誰も来てないぞ?
変だな……もしかして悪戯だったか?
「ヤッホー♪」
なぜお前らが登場する?
「瞳…なにがヤッホー♪だ!てか誰も来ないんだけど」
瞳はなぜかニヤニヤしてる
「タクごめんな……薫も」
「なに言ってるんだ?」
わけわからん
「手紙よく見てみて」
はてな?
「……………。」
特に変わったところは………………!!
「ケンてめぇ!これお前の字じゃねぇ〜か!」
「え?えぇぇぇ?」
俺は怒っている
薫は驚いてる
ケンは謝ってる
瞳はニヤツいてる
……………………………………………………………………………………………………………………バラバラすぎる
「ごめん!だってタクが素直じゃないから機会を作ってあげようかなぁ〜と」
反論できない
「上手くいったんだし良いんじゃない?」
黙れ閻魔大王!なんて言えない
とりあえず…礼でも言うか?
俺にチャンスを与えてくれたわけだし
「…ありがとよ」
「「どういたしまして」」
「で?これからどうする?時間も時間だし……」
「タクちゃん帰ろ♪」
「……帰るか」
「僕らはまだ帰らないから」
2人に別れを告げ帰路につく
途中で公園によってベンチに座った
話をした……
ごく普通の話を……
会話が終わる
「帰ろうか?」
俺は言いながら立ち上がる
「うん…そうだね」
薫も同意し立ち上がる
お互いに目が合った
そして優しい風がふいた時
2人はキスをした
手を繋ぎながら帰る2人………………
幸そうな顔で




