第14話
タクの回想編
「で?聞きたいことってなんだ?」
現在昼休み
メシを食べ終わったため昨日瞳に言われた『聞きたいこと』について質問する
「あぁ〜簡単よ?拓也の膝が悪い原因と少し遅くなったけど2学期初日に起きたあの事件についてよ」
「「「え!?」」」
幼馴染み3人組が見事にハモる
「もしかして言いにくいことだった?」
「そうだね」俺の代わりにケンが答える
気まずい空気が4人を包み込む
「あぁ〜いいのよ別に?ちょっと気になっただけだから」
気になったか……………当然だろうな
仕方ない…………
「話してやるよ」
「え?いいの?」
「………そのかわり誰にも言うなよ?」
「わかったわ」
俺は……あの時のことを一瞬で思い出した
「俺は2年前…………とにかくバスケに夢中だった」
ーーーー2年前ーーーー
「拓也飛べ!」
「あいよ」俺は中学生離れしたジャンプ力で見事にダンクシュートを決める
「さっすが拓也」
「ナイスシュート!」
チームメイトが俺を次々とほめたたえる
「あったり前だろ?」
《ズキン》
ん?何だ今の痛みは?
「拓也〜?どうかしたのか?」
「いや何でもねえ」
………痛みがひいてる
この時は少し痛みを感じただけだった…………この時だけは
あの変な痛みから1週間がたった
「タク走らないと遅刻だよ!」
「わかってる!!」
我ながら恥ずかしいことにケンが家に来るまで寝ていたのだ
「寝坊なんて珍しいね」
「……実は深夜まで勉強を」
「勉強という名のゲームだろ?」
「バレたか…………」
「当たり前」
流石だな親友
《ズキン》
「……………!?」
《ズキンズキン》
なんだ!?
メチャクチャ膝が痛い!!
痛みがひかない!!?
「タク?急に止まってどうしたのさ?」
「……悪い忘れ物した。先行っててくれ」
「いいよ。待ってるから」
「いいから先に行け!お前まで遅刻するぞ?な?」
頼むから先に行ってくれ……………
「わかった……じゃ〜学校で」
ケンは走って学校に向かった
俺は膝の痛みでその場から動けなかった
あれから一ヶ月
膝の痛みは日に日に酷くなっていた
それでも俺は病院に行かなかった
やっと手に入れたレギュラー座を誰にも渡したくなかった
そして………………………あの日がやってきた
今日は待ちに待った新人戦だった
ケンが試合を見たいというので一緒に行くことにした
俺は時々襲ってくる痛みを誰にも言わずにいた
《ピンポーン》
「母さん行ってくる」
「行ってらっしゃい。あとで応援に行くからね」
…………マジかよ
ドアを開けるとケンがいた
「おっす!!じゃ〜行くか?」
「うん」
家の門を開けケンと歩き出した時だった
《ズキン》
「痛ってぇぇぇぇ!!」
例の膝の痛みが襲ってきた
今までの痛みとは比べものにならないほど痛い
俺は耐えられず膝を手で押さえながらその場に倒れた
「タク?!おい!!」
ケンの声が聞こえた
でもその声もスグに聞こえなくなった…………




