Episode006 新学期
あの後、僕たちは普通にファミレスにつき、普通に食事を済まし、普通に談笑して帰りました。他愛もない思い出がまた一つ、忘れっぽい僕の記憶の蘭に増えました。
さて、今回はそれからしばらくたった日……4月のことです。
クラス替えということもあってか、一年生でクラスを告げられると同時にみんな大はしゃぎ。僕は別に誰でもいいのでそこまで興味はなかったのですが、正直同じクラスになりたくない人はいました。ぶっちゃけ、嫌いな人が数人いるので。
「お、ひっくん、同じクラスだな」
「俺ははまちゃんとは違うなぁ」
「じゃあとっとと消えろ、バイバイ」
冗談を交えながら同じクラスになった人を確認する。
「うわ、またこいつ同じクラスか」
「ああ、はまちゃんのことを好きすぎてストーカーまがいのことしちゃった子だね」
「そういうこというなよ」
僕は友達の口を塞ぎました。(事実です)
「あ」
……水口も、同じクラスか。
でも、告白からもう二、三ヶ月も経っているので、それほど気にしてはいませんでした。
それから4日後。新しいクラスになって初めての席替え。
教室の席はコの字型で、僕は運悪く、教卓に一番近い席になってしまいました。
いやぁ、4月はとことん運が悪そう……と想っていた矢先、
「あ、はまちゃんが隣?よろしくぅ~」
話しかけてきたのは、水口でした。
彼女が隣の席のようです。
「いやぁ、可愛い子が隣の席に来てくれて嬉しいなぁ」
「モーニングジョーク?」
そう言いながら彼女は隣の席に座りました。
別に、ジョークじゃないんだけどな……




