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Episode002 隠してきた想い

 読者の方に説明している時は敬語にすることにしました。

 すでにガールフレンドがいるというのに、別の誰かを好きになってしまった。

 そんな経験をした人は多いと想います。

 僕もその一人でした。

 小学六年生の7月ごろ。僕は市のミニバスケットボール団に入団。六年生だったのと背が高かったのが幸いしてすぐさま試合に出れた。だけど、素人だった僕は全然活躍できませんでした。

「えぇ、それじゃあ全然駄目だったの?」

「そうなんだよぉ。もうショックだったわ」

 クラスメイトの泉と喋っていた僕は自分の話題を楽しく言った。

 このときだっただろうか?泉が気になりだしたのは。

 だけど、彼女は僕にガールフレンドがいるということを知っている。とても気持ちを伝えることは出来ませんでした。



 中学一年生、2月。

「ジャンケンポン!……あぁ、チクショーーー!」

「よし、じゃあお前、あいつに告れよ!」

―ジャンケンで負けた奴は誰かに告白しろ!

 誰かが言い出したのがみんなに感染し、総勢20人でジャンケンをした結果、運の悪いことに僕がチョキで負けてしまいました。

 なんと今日の朝の正座占いは最悪だった。(それ以来毎日正座占いを確認してます)

「よし、みんな誰がいい?リクエストしてくれ」

 ふざけて告白するのは、相手も傷つくかもしれないと想ってあまり賛成できなかった。だけど、断ると嫌われてしまうんじゃないか、そう想うと断ることが出来ませんでした。

「よし、水口だ!」

「俺も同感だ!」

「おう、いいよ!」

 って、え?マジ?

 非常に気まずかった。

なぜなら、先月僕はその水口に告白され、断っているからです。(詳しくはプロローグを参照)

 彼女は立ち直りが早く、翌日は会話が成立しなかったものの、その後はいつもと同じ関係に戻っていました。

 その日、部活が終了した後、同じ部活であり、この罰ゲームを提案したクラスメイトに連れられ、学校から少し遠のいた道にやってきた。

 そこには水口と、その周りに集まる十人以上の同学年の女子生徒。

 その女子生徒の中で、水口が俺に告白したのを知っていたのはたったの二人。その二人はとても気まずい表情をしていました。

「おら、言えよ!」

 背中を押され、僕は顔を俯かせながら一言。

「付き合ってください」

「……」

 しばし沈黙が流れた後、声を発したのは水口だった。だけど、それは予想外の言葉だった。

「付き合うって、どこに?」

「だから……」

 彼女が天然なのを忘れていた。

 彼女は決してわざとやっているのではなく、本当に天然な性格の持ち主でした。だから少しやりにくいところがありました。

「だから……」

 なかなか言い出せない僕に痺れを切らしたのか、あるクラスメイトが興奮したように言い出した。

「だから、好きだから付き合ってくださいって言ってるんだよ!」

「え?」

 水口の表情が明るさを増したけど、それはすぐに曇りに変わってしまった。それが、ふざけてやらされているのだと知ったから……だと想います。

 たぶん、僕の表情が暗かったから気づいたんだと想います。

「ごめん。私、他に好きな人いるから、付き合えない」

「あぁぁ、残念だったなぁ!」

 みんながからかう中、先月のことを知る子たちと僕は暗い表情をしていました。

 その翌日、事情を知る一人の女子生徒に聞いたのですが……彼女は昨日の夜その女子生徒の家に泊まりに行って、ずっと泣いていたそうです。

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