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ソコは隠して
とてもなのか比較する対象が見当たらないが大変なことになった。
股間を隠しながら彼は人目を避け夕暮れの裏道に身を隠しながら自宅へ急いだ。
彼の臍の下には棒状のタールの塊のようなものが垂れ下がっている。大きさは彼の二の腕程はあろうか。黒く、そして艶がある。一言で言って立派だ。
これは彼の体の一部ではないが、これを他人が見て耳を貸してくれるとは思えない。
まずは敗れた下着とボトムスを履き替えて対策を考えなければ。
走りながらも自分の上がる息を抑えて周囲の音に耳を配る。
ときに積み上げられた荷物に身を隠し、開いた水路から暗渠へ身を隠し、人目に触れぬよう家路を急いだ。
「あ、ブラン・・・くん・・・」
家の玄関を目指して意を決して飛び出した瞬間に呼び止められた。
彼、ノモン=ブランと学び屋を同じくする同級生である少女であった。
声をかけた彼女の視線は顔を見ていなかった。信じられないモノを見たかのように硬直していた。
「ごめん!急いでて!」とブランが言い放ち家に入るや否や彼女はその場に座り込み放心していた。
彼女の目に映ったモノが彼女の持つ知識を遥かに凌駕した。それだけで十分だった。




