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第7話 季節外れの雷

その日の夜、ヴィスティン中央部の町、サレストでは季節外れの雷が鳴った。丘の高台にある神殿に雷が直撃したらしい……と、次の朝、カタリナ達一行は知った。


 神の怒りのような、稲光に街の人はその夜は外出を控えたようだ。

 神に結婚の祝福を貰いに行こうと、神殿へ赴いていたレジーナとクレッグも神殿の雷直撃の被害を受けていた。


 神殿自体に防御の結界があるために、感電死する者こそいなかったが、一つ間違えば、中にいた人が見な丸焦げである。

 一次的に意識不明になった者が何名か、軽い火傷を負った者が数名程度で済んだのである。


 レジーナとクレッグは、朝、日の出とともに野営地に帰ってきた。

 レジーナは、腕に、クレッグは、頬の軽い火傷を負っていた。


 レジーナには、昨日の雷が誰の仕業か分かっていた。

 まさに、神官長に神聖なる誓いの言葉を頂く時に、神官長の声を遮るように、この地方には珍しい雷の轟音が響き、神の怒りのような稲光がしたのはその後である。神官長も、そこにいたすべて者は恐れおののいた。


 レジーナとクレッグは、身分を偽って祝福を乞おうとしていたので、今日は、そんな日ではない。神が怒っておられるから帰りなさいと、神殿から追い出されてしまったのだ。


 レジーナは、神の怒りなどではなく、妹の妨害であることが分かっていた。

 主に、讃美歌を得意としていたカタリナは《18》ある讃美歌を全部暗唱していて、何が起きるのかは、予測不可能な《《もの》》もあるが、『春雷』のような《《もの》》を歌えばどうなるくらい予測は付くというものだ。


 カタリナは、思い切り歌ったので満足して眠りこけていた。

 レジーナは、さらにゲンコツお見舞いで妹を叩き起こした。


「起きなさい!! カタリナ!!」


「痛~いですわ!! お姉様? お帰りになったのですね。良かったですわ」


 頭の痛みで目が覚めたカタリナだが、目の前のレジーナを見つけると途端に笑顔になった。一方、レジーナの目はつり上がっている。


「良くない!! 何なの? あの雷は!? 感電死するかと思ったわ!」


 カタリナはレジーナを真顔で見て、


「あたくしがお姉様をコロスわけありませんわ。コロスとしたら、黒騎士だけですわ」


「何で、クレッグを嫌うの? あなたでは追い返した所でどうやってもついて来るでしょうから、いっしょにいるけど、クレッグはこの隊の隊長よ。この旅にいっしょに行きたいのなら、彼の命令を聞きなさい」


 レジーナは、諭すように言った。

 カタリナは、無邪気に口を尖らせていた。

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