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第15話 待ってくださいませ

「「お姉様~!! 待ってくださいませ~」」


 レジ-ナは、ドキッとした。

 フリードが回復したので、四人の騎士をビルラードへ帰そうと、サントスの街の郊外で別れをしていた時のことである。

 これからクレッグと二人で、あるオアシスを目指すつもりでいた。

 カタリナは、メルクリッド大賢者様が説得して、神殿で巫女の修行をすることになったはずである。


「カタリナったら、大賢者様の言うことも聞けないわけ?」


「いや、ちい姫には外の世界の、誰が偉いとかの概念が無いんじゃないのか?」


 クレッグの言葉に、レジ-ナは言葉に詰まってしまった。


(そうかもしれないわ……)


 声は、次第に近くになり、やがて馬のひずめの音は、レジ-ナの前で止まった。


「お姉様~!! 酷いですわ!! あたくしをおいていくなんて。プンプンですわ」


 レジ-ナの胸に飛び込んだカタリナは、カエルのように顔を膨らませていた。


「カタリナ……あなたは賢者様の言うことが聞けないの?」


「あら、賢者様ってお父様よりもエライのですか?」


「賢者様といったら、西域で一番尊敬されてる人よ」


「まあ……難しいのですわね……」


 カタリナは、四人の騎士に向き直った。


 小柄な騎士がカタリナに、笑顔で言った。


「ちい姫!! お手柄ですよ!! あの設計図は軍船らしいのです。次にヴィスティンは、西の海に進出しようとしてることが分かりました。

 姫のおかげです」


「まぁ、そんなことが分かりましたの」


「オレは、姫がくれた映像どおりに書き写しただけです。後は、神殿からその筋の人に解析してもらったんですよ」


「お役に立ててうれしいですわ」


 カタリナは、ニッコリと笑って悩殺した。


「こらこら、トップ・シークレットを話すんじゃない」


 小柄な騎士はクレッグにゲンコツを食らっていた。


「じゃあ、隊長。俺たちは帰るんで」


「この子もお願いよ」


 レジーナが言うも、カタリナはチャッカリ、クレッグの馬に乗り換えていた。


「カタリナ!! 帰りなさい!!」


「嫌ですわ!!お姉様の落ち着き先まで行きます」


 呆れて何も言えないレジーナとクレッグである。 

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