草原
目が覚めると私はベットの中に居たーなんてことはなく、草原に寝っ転がっていた。
起き上がろうとしたが体が動かない。どうしたものか。周りを見渡すとどうやら人らしき影が何個かある。何やらブツブツと話し合いをしているらしい。
襲われたのか、、、いや違う、、、捕獲されたと言った方がいい。なぜかわからないが、体が動かない。金縛りか?
どうしようか。考えようとしたが、頭がぼーっとして働かない。まるで長い夢を見ているような感覚だ。いっそこのまま眠ってしまいたい、、、いやいやだめだ。今の状況を把握しなければ。
今頃お母さん心配してるよな。ってか今何時だ?やけに明るいな。あー早く家のベッドにダイブしたい。
自分でも考えられなくなってることがわかったが、この時だけはどうしても頭が働かなかった。
ただただ時間が過ぎていった。
あの影たちが動く気配もない。
そういえば、なんで私は動けなくなったのだろうか。魔法でもかけられたのかな。ふと考えられるようになっていることに気づき、急いで思考を巡らせる。とは言っても、体は動かないし、なにも出来ないのだから一旦このまま大人しくしてようと思い、考えることをやめる。
何時間経っただろうか。
辺りは暗くなる事を知らないらしい。ずっと朝方のような、雲がかかった美しい空をしている。
っとその時、2個の影が動いた。こっちへ近づいてくる。
その時、私は突如恐怖に襲われた。自分でもよく分からないがなぜか、本能が危険を私に知らせていた。
私はもがいた。必死に体を動かした。私の体をこの者たちに触らせてたまるものか。手足の縛りがきついがそんなことは知らない。手足がもぎれてもいいからこの者たちから逃げようとした。
だが無理だった。当然その場で取り押さえられた。この時なぜか、押さえられてるところは痛くなかったし、きつくなかった。自然に体が動かなくなった感じがした。この時ふとこのことを疑問に思ったが、そんな場合ではなかったので気づけなかった。
ああ、だめかやっぱり。殺されるんだなぁー。悪くない人生だった。
なぜか私はそう思ったのを覚えている。
しかし、その者たちは私を殺すどころか、私の手足の縛りを解き始めた。そして落ち着き、動きが止まった私に向かってその者は喋り出した。