表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

滅んだ世界

 まあなんとかなるっしょ。

今まではそう言って乗り切ってきた。でも今回のは流石にまずい。どうしよう。本当にどうしよう。現実を受け止められなくて、受け止めることが怖くて、思考が停止する。なにも出来ないまま、いや、何かをするというのがどうしようもなく怖い故に動けないまま、ただ時間が過ぎる。時間といっても、もうここではそれは意味を成さないということが頭をよぎる。事実がだんだんと私の中で本物になっていく。


ああ。頭が痛い。さっきから時々来るこの頭痛の原因はなんだ。一定の時間ごとに頭に激痛が走る。まるで地球がまだ生きているみたいに。そんなことを言って、まだ希望の光を信じていたのかと自分に失望する。

すいちゃん、今まで一緒に居てくれてありがとう。すいちゃんとは価値観がすごく似ていて、他の人とは分かち合えない気持ちを伝え合ってた。前世はきっと双子だねなんて言って笑ったな。

これが走馬灯ってやつか。16歳では見たくなかったな。


周りは物音を一切立てず、途方もないほどに静かで、落ち着きがなくなる。どうしてこうなってしまったのだろうかと自分を悔やみ、憂い、呪った。でも今となっては、その行為すら、もう誰にも知られることはないのだ。誰にも宿題を手伝ってもらえないし、その宿題すら課されない。なんだか宿題までもが恋しい。そんなことを言っている暇はない。なにをしても変わらないこの現状を打開するべく術はないかを考えなければ。でも、どう足掻こうと、どう叫ぼうと、誰も来ない。私の存在に、私の生命活動に気づいてくれる人は何処にも居ない。







世界は滅んでしまったのだから。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ