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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー短編シリーズ

ご飯がまずい

作者: リィズ・ブランディシュカ




 マンションの一室。


 仕事を終えて帰ってきた俺は、すぐに夕飯をたいらげた。


 だが。






 妻の作るご飯がまずい。


 少し前まではそうじゃなかったのに、いきなりまずくなった。


 俺の舌がおかしくなったのかとおもったけど、近所の野良犬や野良猫に試しにやってみても、見向きもされなかった。


 だから、俺がおかしいわけではないというのだろう。


 なら、俺への嫌がらせか?


 妻はわざと俺へのご飯をまずくしているんだ。


 日ごろおとなしい女だが、俺が口うるさくがみがみいうのが気に食わないでいるのかもしれない。


 一度怒らせたときは、食器をなげてきたことがあった。


 考えれば考えるほどそれしかないと思った。


 ご飯はかならず毎日作れ、とか。


 おかずは必ず五品は用意しろ、とか。


 食べ終わったらすぐ片付けろ、とか。


 食後のビールを切らすな、とか。


 着替えたものはちゃんとすぐ洗濯しろ、とか。


 俺の部屋はいつもきれいにしておけ、とか。


 明日持ってくものや着るものは、必ず用意しろ、とか。


 風呂の温度は四十度でわかせ、とか。


 沸かしたら、五分以内に知らせろ、とか。


 専用のバスタオルはかならず三つ用意しておけ、とか。


 そういったささいな頼み事が、怒りの同線に火をつけたのかもしれない。


 一つの物事に注文をつけすぎだと?


 こんなの普通だろ?


 俺のオヤジとおふくろだってそうだったんだから。


 それにしても、最近やけにマンションが静かだな。


 上の階の、夕飯時に騒ぎ出す子供の声や、左隣のカラオケ好きの音痴の学生の声が聞こえない。


 うるさいと怒鳴り込んだことがあった。


 引っ越しでもしたんだろうか。




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