主人公になりたい人の話
初めまして、初めて投稿させていただきます。
前々から物語を作るのが好きでしたが、こうして文字に起こすことはなかったため、これから文字に起こせるようにしたいと思います。
僕は主人公になりたい
同じクラスの輝希光は圧倒的主人公だ。友情、努力、勝利が似合うヒーロー。
対して僕はモブ。クラスのモブだ。特に何の特徴もなく平凡な彼女のクラスメイトの1人である
先生「今から数百年前、突如怪獣が蔓延り、人間を襲った。同時に、人間の中に超神経を持つものが現れ、怪獣から人々を救ったのである。
それが、今のヒーローと言われる者達だ。」
超神経は遺伝であり、片方の親が超神経を持っていれば子供も受け継ぐことが出来る。人間離れした身体能力を持っており、生まれたときから怪獣を倒すための厳しい教育を受けることになる。それを耐え抜いた者がヒーローとなるが、耐え抜けなかったものは、成人になる前に超神経が使えなくなるり、子に遺伝もしなくなるため、ヒーローの数は少ない。
先生「ヒーローは現在数十人しかいないが、それでも世界の平和を守り続けている。
そのヒーローのひとりが輝希だ!」
クラスメイト「おおおー!いつもありがとなー!」
光「ふふ、みんなありがとう。」
ピピピ
輝希さんは腕に着けている腕時計型の通信機に目をやる。
光「先生、怪獣討伐せよとの通達がありましたので、向かいます。」
先生「分かった。行ってこい。」
クラスメイト「頑張れよー!!」
輝希さんはスクールバッグを手に持ち、窓へと走って向かい、すごい跳躍力で飛んでいき、あっという間に見えなくなった。
クラスメイト「すげーよな、超神経。ここ4階だぜ。」
「あのバッグも変形して剣とか銃になるらしーよ。」
お昼休み
友達「佐藤!マルチしよーぜ!」
僕「おう!」
僕は輝希さんのように凄い才能なんてないし、あったところで、彼女のように努力してそれを活かすこともできないだろう。
僕には友情、努力、勝利なんて似合わない。死線を共にくぐり抜けた先にある友情なんて経験できないし、死ぬほどの努力もしたくないし、特になにも大きなことは成し遂げていない。
僕「がーっまた負けたよ...」
下校中
僕「あれ?」
帰り道で通る公園に輝希さんがいた。景色を見て佇んでいる。
この公園は上と下に分かれている、割と大きな公園で、景色が良い。今は上の方にいる。
僕「か、輝希さん?」
光「わあ、佐藤くん!びっくりした、もう下校の時間か。5、6限は何やったの?」
僕「体育と国語だよ。輝希さんはどうだったの?」
光「今日の怪獣は弱っちいやつだったよ。被害も無かった。最近は弱い怪獣ばかりで安心する。でも油断出来ない。
見て。ここから見える光は全部人が暮らしている証なんだ。私は絶対にこの景色を守りたいの。」
僕「...輝希さんは、性格まで主人公なんだね。」
光「ふふ、なにそれ?」
僕「カッコイイなって。憧れるよ。
...僕は、君みたいな主人公になりたいんだ。」
何言ってんだ僕は
光「...ねえ、」
二゛ゃああああああああぁぁぁ
僕&光「!?」
突如、背後から10メートルくらいの猫のような怪獣が飛び出してきた!
怪獣は僕を目掛けて飛び込んできた
僕「うわああああああああ!!!」
ドンッッ
輝さんに体当たりされて僕は横に吹っ飛んだ。輝希さんに目をやると、怪獣と輝希さんが下に転がり落ちていた。
光「逃げて!!」
僕「輝希さん!!...」
アナウンス「怪獣警報、怪獣警報、住民は直ちに避難してください。」
シュバッ
光「モード 長剣」
スクールバッグが変形し、長い1本の剣になった。
ガキィン
光「クソっ皮膚が硬くて歯が通らない!」
ここら辺には私しかいない...仲間を呼ぼうにもさっきので通信機がどっかいった
徐々に民家の方へ近づいていっている
一瞬で片付けるにはチャージ銃しかないけど敵の動きが早くてチャージする暇がない
光「チッ、せめて5秒でも稼げれば...」
バシャシャシャ
僕「おい!おまえ!!こっちだ!!」
僕は傍にあった水道とホースで敵に水をぶっかけた!
敵は一瞬固まった後、
案の定、僕に牙を見せて向かってきた
僕「うわあああ!」
一瞬で僕の目の前まで飛んできた
死ぬ...!
光「でかした!」
バン!!...
僕「はぁーこんなに事情聴取って時間かかるの...輝希さんは毎回これやってるんだよね、凄いな。」
光「次同じような怪獣が現れた時の為にどんな特徴だったか知って対策を練るのは大事な事だからね!」
僕「...やっぱり輝希さんはかっこいいね。」
光「...さっき言っていたことについてなんだけど、」
光「私思うの。自分は沢山の色んな経験をしてきている凄い人なんだけど、そこら辺を歩いている人も、電車に一緒に乗る人も、同じように色んな凄い経験をしていて、一人一人にドラマがあるんだ。皆、頑張って、失敗して、協力して、成功したりする。一人一人が世界を動かしている凄い人達なんだ!
だからこの世界の人はみんな主人公なんだって思うの。
君には友達がいて、頑張って毎日勉強してる、さっきは知恵を出し、勇気をだして私を助けてくれた。
これって立派な主人公って言えない?
助けてくれてありがとう!」
6年後
ガタンゴトン...ガタンゴトン...
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(A地区で怪人襲来 女ヒーローが応戦)
上司「おーいそれこっちに運んでくれ。」
僕「はいっ!」
僕は、怪獣被害のあった建物の修理をする仕事に就いた。建築に興味もあったし、僕に出来ることをして、人の役に立ちたいと思ったからだ。
上司「まったく酷い壊れ方だなこれよ。」
僕「直しがいがありますね!」
上司「まぁそうだな!よし、今日も気合い入れるぞ!」
僕「うす!」
僕のおかげで助かる人は沢山いる。僕は自分が主人公になったとは思えないけど、誰かの役に立っていると思うと、自分の生き方に自信を持てるようになった。
僕「よし、頑張るぞ!」
上をむくと、ヒーローが建物の上を飛んでいく姿が見えた。
読んでくれてありがとうございました。




