逆襲
「ガイル、貴様は騎士に相応しくない!」
いきなり貴族もいる大広間で国王が俺に向かってそう宣言する。
「国王陛下、何故でしょうか?」
俺は理由が気になり問いかける。
「余は知っているのだぞ、貴様が他の騎士から手柄を横取りしているとな」
(は?)俺は国王の言った事が理解出来なかった、
手柄を横取り?なにせ俺は基本的に一人で戦っているからだ。
「そういう事だ、ガイル貴様は今より騎士ではない」
国王の横にいる身長180cmぐらいの男が言う、
(あぁ、なるほどなこいつが告げ口したんだな、、、)
この身長180cmの男、バーンは俺の事を嫌っていた理由は俺が難易度の高いモンスター相手にも一人で戦い勝っているからだ。
こいつは戦闘や魔法はハッキリ言って城の門番よりも雑魚いが上の者に取り入る才能だけは
天才的でその才能で取り入り続け今では国王の右腕としてその役職にいる。今回の俺の嘘の告げ口は俺が
バーンの地位に行けなくさせる為だろうな、
で俺から騎士の地位を剥奪した後に俺の手柄を全部自分の者にする為だな
「ガイル、とっとと城から出ていきな!」
バーンが嘲笑いながら俺に言う。
ガチャ「その者をこちらに渡してもらえないでしょうか?」
大広間に一人の男が入ってくる。名はギージス、この国で1番魔法や魔術に精通している男である。
「ギージス様、その者はもうただの一般人ですよ?」
バーンがギージスに聞く。
「しかし、肉体だけはしっかりとしておりますので、わしの実験用の道具としてもらえないでしょうか?」
「良かろう、連れて行くがよい」
国王がギージスに許可を出した。
「国王、ありがとうございます。そいつをわしの実験室に連れて行け」
「はっ オラァ、ついてこい」
ギージスが国王に礼を述べてすぐに部下に俺を実験室まで運ばさした。こうして俺は騎士の地位を奪い取られてしまった。
((ギージスの実験室))
「ようこそ、元騎士のガイル君」
壁に鎖で繋がれた俺を見ながら言う。
「何が目的だよ」
ギージスに問う
「ハッハハハハ わしの目的は、最強の騎士を作る事じゃよ、お主もわかっておるじゃろいくら騎士が多くいても弱ければいないも同義、ならずば抜けて強い騎士を一人作る方が早いんじゃよ、でタイミングよくそれに相応しいお前と(肉体)が手に入ったからな、貴様を最強の騎士にしてやるんだよ」
ギージスは笑いながら言う
「それをしたらバーンがなんて言うかな、あいつは自分の地位を守るためにお前の実験を妨害しだすぞ」
そう言うとギージスはとんでもない事を喋った
「問題ないわい、なにせ貴様はもう人ではなくなるからな」
ギージスが訳の分からない事を喋る。
「人ではなくなる?どういう事だ?」
俺がギージスに聞くと奴は
「そのまんまじゃ、なにせ貴様の肉体にデーモンウルフの力を与えるからな」
「デーモンウルフだと、、、、、」
デーモンウルフとは魔物の中では上位に入る強さと知恵を持っている種族で俺でも一人では
勝つ事が出来ない魔物である。
「簡単な話なのじゃよわざわざ、訓練をさせていたのでは時間がかかる、じゃから力を与えて強くする方が効率的なんじゃよ、でその最初の人体実験の対象はお前なんじゃよ」
俺が困惑しているとギージスがそう呟く
「さて、それでは始めるかな」
ギージスが実験を始めようとする。
「おい やめてくれ、騎士の地位はどうでもいいがせめて人間でいさせてくれ!!」
ギージスに懇願すると
「フッ 貴様はもう奴隷と同じじゃ、じゃから貴様は人間ではなく、"物"なんじゃよ」
ギージスが笑いながら俺に言う。
「さて眠っておいてくれ動かれると面倒じゃからな」
ギージスがそう呟き、俺の足元に書いてあった魔法陣が発動し俺の意識は眠りについてしまった。
「眠りについたな、さて始めるかな」
ギージスがそう言いガイルの足元に書いてある魔法陣に手を置き
「ダイモニゾメノス!!」
そう唱えた瞬間、魔法陣より黒い霧らしき物が現れ
ガイルの体を包見込んでいく。
(数分後)
ガイルを包んでいた霧が晴れるとそこにいるのは濃い黒の体毛に覆われた人狼だった。
「成功じゃ、ついに完成したぞ、最強の戦士が!!」
「おぉ ギージスよついに出来たのか!」
国王がギージスに話しかける。
「はい ついに成功させました。」
国王の前に跪きこうべを垂れる。
「では、早速こやつの力が見てみたい」
国王がギージスに問う
「国王様、こやつはまだ目覚めておりません」
「では目覚めさせろ」
「はっ その前に国王様、これを」
ギージスが国王に黒い鎖で出来た輪っかを渡す。
「これはなんじゃ?」
「それはこの人狼を操る為のマジックアイテムです。
この鎖をつけられるとつけられた対象はその鎖をつけた者に従うのですよ」
自慢げにギージスが国王に鎖の仕組みを話す。
「では、これをわしがこやつにつければいいのじゃな」
「はい そうでございます」
「よし ならつけるぞ」 ガチャ(人狼の首に鎖がつけられる)
「後はこやつが目覚めるのを待っておけば問題ありません」
「わかった ではギージス、こやつが目覚めたら教えてくれ」
「はっ」
ガチャ、国王がギージスの実験室から退出して行った。
だがギージスも国王もバーンも気づいていなかった、この事が後に全人類を巻き込んだ大事件に発展する事を