実体験に基づく裏家業のはなし
見渡す限りの平原
目に入るのは見慣れない草木、紫がかった夕焼け、そして広大な地平線・・・・。
目が覚めた時、俺はこの広大な平原に倒れていた
『な、な、なんだ?!?、ここは!?』
俺はいつものようにデスクで部長からの小言を聞いていたはず。
『霧崎君!何だねこの見積もりは!、一体いつになったら見積もりくらいまともに作れるようになるんだ!』
俺は心の中でろくにコストも考えず勝手に契約してきたのはあんたじゃねぇかと思いつつも
『・・・・すいません、ですがこの規模の案件であの価格では、以降別案件でも利益が
『馬鹿野郎!それを何とかするのが君の仕事だろうが!』
そんなわけねーだろと思いつつもわかりましたと返事をする。
そう、俺は典型的な社畜社員、霧崎大悟 26歳 独身(彼女なし)だったはず・・・・・
はずなんだ・・・・・
その日何とか見積もりの体裁を整え会社を出た時には午後11時をまわってすぐだった。
新宿の雑踏を駅とは逆方向のアーケードへ向かう、実際にはまだ【仕事】が残っているのだ・・・・。
ギラギラした1番街のゲートを潜るころ、自分の腹が鳴っているのに気がついた。
『そっか、クソ部長の小言のせいで昼飯抜きだったな、、』
【職場】に向かう途中のセブンに寄り食料を買う事にした。
『イラッシャイマセ〜』
都内のコンビニ夜勤はすっかり外国人ばかりになってしまった、気の抜けた挨拶を聞きながらサンドウィッチコーナーへ向かうとミニワンピにミュールの若い女達がダルそうに品定め中だった。
『マジさっきのおっさん臭かったんだけど!』
『あのおっさん払いも悪い癖にいっつも生で挿れたがってマジキモいよね!』
『濡れてるじゃんじゃねーんだよ!ローションだっつーの!』
どうやら待機中のデリヘル嬢らしく聴いてるこっちが赤面するような会話をしている。
『はぁ、、良い匂いだなぁ、、』
『⁉️はぁ⁉️マジキモいんだけど!』
『あ!すいません!いや、違くて!レジ前のおでんの事ですよ⁈』
『チッ!マジキモい!行こう!』
どうやら心の声が漏れてしまって居たようだ。
『いや〜、疲れてんなぁ〜』