ジュナはとことんねぼすけさん!
「はうぶっ!」
がくんっ! と大きく首が揺れて、ジュナはやっと目を覚ましました。
「木由良戸さん……?」
「あ、あれ?」
よだれが垂れる口元をぬぐい、寝ぼけまなこをこするジュナですが。
「じゅ、授業は? 紆異智さん?」
「もう、終わりました」
気づいてみれば、今は放課後の様子。
お昼を食べて気怠い午後も、一瞬のうちに過ぎ去ってしまったようです。
「あ、あははー。終わっちゃったか―。ん~! なんだか一年近く眠っちゃった気がするなぁ!」
「よく寝てました。先生も諦めてしまうくらい」
「あはは……」
苦笑いを作りながら、隣の席に座る彼女をジュナはしげしげと見つめました。
「なにか?」
「う、ううん。紆異智さん、今日転校してきたばっかりなのに、落ち着いててすごいなぁ~って」
「まぁ……。転校には慣れてますから」
黒いワンピース。黒い靴。そして黒いランドセル。
全てを黒く染め上げた衣装の紆異智さんは、大きな大きな帽子の下で、冷静な言葉を口にしました。
「ね。紆異智さんの家はどこ? よかったら途中まで一緒にかえろ?」
「いえ、わたしは……」
「ねぇねぇねぇ~! いいでしょ~! お友達になろうよぉ~!」
ずいずいとせまる、ジュナの大きな朱色の瞳。
そんなジュナに気圧されたのか、紆異智さんは思わず、少しだけこくんと頷いてしまいました。
「やったぁ~!!! じゃあ一緒にかーえろ♪」
「……。しかたないです。じゃあ、行きましょう、木宇良戸さん」
「ジュナ!」
「え?」
「わたしのこと、ジュナ! ジュナって呼んで!」
「ジュナ……」
人懐こさは人一倍。
ジュナは満面の笑みを浮かべて、紆異智さんへと笑いかけました。
~『ジュナの愉快な次回予告!?』 ~
「んがー! 寝すぎて首回りガッチガチ……」
「本当によく寝ていました。先生が泣いていましたよ」
「あえ? ほんとー? でもジュナ、泣かせるよりは驚いてほしいんだよね……」
「じゃあ、次回頑張りましょう。次回、魔法少女は転校生。お楽しみに」
「あれー!? それ今回じゃないのー!?」