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Intercept_02
父へ送ったメールは、思いのほか早く返信が返ってきた。
そういえば、よくよく考えても見れば今の時刻とは、いつも通りなら父は既に帰ってきているであろう時間に当たる。
日は傾ぎ切って、恐らくは今まさに水平線の際に触る頃であろう。
この煩雑とした街の風景からではその風景は目視できないが、しかし俺は、そんな斜陽の様を明確に脳裏に思い描く。
「……、……」
俺の送ったメールには、概ね帰りが遅くなるという旨の文章をしたためておいた。
その返信は、全く無味乾燥にその了承を示すものであった。
――あとは、
「雨が降るらしいから、気をつけろ」と。
そのような言葉で、父からの返信は締めくくられていた。




