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見栄の為に話をもって何が悪い
拝啓故郷のお母さん、お父さん、そして憎らしき妹よ。
元気にしていますか。
小さい頃に騎士に憧れ、実家のパン屋の手伝いから逃げだしては、才能もないくせに剣(その辺の棒)の練習をし、父に叱られ、母に殴られ、妹よりジャーマンスープレックスを食らわされたてた日々が、今はとても懐かしい。
必ず騎士になるんだと、パン屋なんぞついでたまるかと、書き置き一つ残して家を飛び出してしまった一月前の自分を、僕は時が戻るなら殴り飛ばしてしまいたい気持ちです。
何故なら僕は今、絶賛死にかけています!