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日常からの変化の矢先
特に変哲もない。
ただ、青年が借りてしまったものはとんでもないものだった!
ーーー
いろいろ見るがどれもこれもいまひとつ。
なにも借りずに帰ろうとした矢先、左棚に上から2段目のところにふと目を寄せた。
ーーー
なんだろうか。
そのときはなぜあそこに足を進めたのか今でもわからない。
だが、それが平々凡々と暮らした俺にとって不思議な体験へと変わる始まりだった。
そう、あの本を手に取ってしまってからーーー
「…魔法とある科学書?」
はぁ、なんでこんな漫画借りてきちゃったんだろう?
青年は深いため息をする。
それもそのはず。
表紙はききららのようなキャラクターの女の子がふわりと飛んでいる手ぬるい表紙だ。
まるで子供の少女漫画だ。
勉強机に頬杖をつき、しらけている青年。
「英助、ごはんよー」
母が1階から大声で叫ぶ。
かったるいがこの本を見るよりマシかと思い、椅子から腰をあげ
「はーい」
と、言いながら英助と呼ばれた青年は2階から階段を降りてゆく。