馴染む奴と馴染めない奴2
1週間後の放課後
「大和!帰ろうぜ!」
大和にそう話しかけたのは勇気だ
「うん!」
大和と勇気は話題が合うからかすぐに仲良くなった
お互いの携帯には既に友達グループで登録されている
「・・・・・」
ふと大和は隣で下校準備をしている太一を見る
「太一も一緒に帰らない?」
「・・・いや、俺はすぐそこだから・・・」
「うーん・・・わかった!じゃね!」
大和と勇気が教室を出た
「・・・・・はぁ」
人が少なくなった教室で太一は溜め息を吐いた
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「・・・・・」
「どうしたんだ?さっきから考え込んで?」
大和に勇気が話しかける
「ん~?ちょっと太一の事をね・・・」
「佐倉?なんでまた?」
「いや、太一って有名人だったんだよね?それにしてはあまり人と一緒に居ないなって」
大和は隣の太一をよく見ていた・・・実際最初の数日は太一にも人が寄っていたが今は誰も寄り付かない
ここ最近の太一は一人だった
「あ~なんか絡みにくいんだよな・・・なんか壁を作ってると言うか・・・」
それに勇気は答える
「・・・・・・」
「そんなに気になるのか?」
「うん、なんかね・・・」
この時大和は昔の自分を思い出した
何をしても駄目で、暗い性格だったあの頃・・・
(駄目なのは変わらないけどね・・・)
大和は苦笑する
(だけど、あのままじゃ駄目だよね!!)
大和は何かを決意する
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
次の日の放課後
「・・・・はっ?」
「だから一緒に帰ろう♪」
大和は太一を誘う
「いや、俺家がすぐそこだから・・・」
「一緒に帰ろう♪」
「だから俺は!」
「一緒に帰ろう!!」
微妙に発音を変えて誘う大和
「だかr」
「一緒に帰ろうよ!!」
「しつこi」
「帰る!!」
「だかr」
「帰ろう!!」
「・・・・・・はぁ、わかった」
「一緒に帰ろう!!」
「わかったって言ってるだろう!?」
「一緒に・・・あっ?本当に?」
「お前な!!」
太一はしつこい大和に折れたのだった
(無理矢理過ぎないか?)
それを見ていた勇気はそう思ったのだった
・・・・・
大和、勇気、太一の3人で道を歩く
「じゃあ、俺ここだから」
太一が自分の家の目の前で立ち止まる
「ここが太一の家?」
「そうだが?」
「ふ~ん・・・」
「なんだよ?」
「まだ帰らずに遊びにいこうよ!!」
「はぁ?なんでだ?」
「遊びたいから!」
「天野と行けばいいだろ?」
「3人で遊びたいんだよ!行こ~よ!!」
「おいこら引っ張るな!!」
大和は太一の手を引く
「天野!見てないで止めてくれ!!」
「あ~・・・そうだな」
ガシッ!
「・・・・・なんの真似だ?」
勇気が太一のもう片方の手を掴んだ
「俺も大和の案に賛成でな」
グイッ!
「お前もか!?おいこら!」
「いいぞ!勇気!このまま連行だ!!」
「OK!!任せろ!!」
「止めろぉぉぉぉぉ!!?」
太一は本当に引きずられて行った