馴染む奴と馴染めない奴1
入学式から2週間が経過した
2週間、それだけの時間があればクラスのグループもある程度決まる
「それでね!」
1番大きなグループはこの大和のグループだ・・・いやグループと言うのはおかしいか
大和はグループという拘りは無い、同じクラス・・・更には他のクラスや先輩達にまで普通に話しかけている
そうして大和は生徒の殆どから『知らないやつ』から『1度は話したやつ』になっていた
今現在大和と会話しているのも共通の話題を持っている他のクラスの生徒だ
「・・・・」
それを隣で太一は見ていた
(こいつ行動力あるな・・・)
太一も孤立したくはないからクラスの生徒とはある程度は話している
友人とまでは言わないが話題があれば話す程度の仲にはなった
「んっ?太一?僕に何か用?」
「いや、何もないが?」
「そう?」
大和は会話に戻った
(・・・あの明るさ、少し羨ましいな)
太一は物思いにふける
(思えばあんな風に他人と話したことがないな)
・・・・・・・
「それでさ~」
大和は他のクラスの人と喋る
「んっ?太一?僕に何か用?」
大和は太一の視線に気付く
「いや、何もないが?」
「そう?」
大和は疑問に思いながら会話に戻る
(なんだろう?後でまた聞いてみるかな?)
・・・・・
HRが終わり1時限目の授業の準備をする
「太一さっきは何か用があったんじゃないの?」
大和は太一に話しかける
「いや、本当に何にもないから」
太一は突っぱねる
「ん~?」
「・・・・・なんだよ?」
「いや~なら何でそんな睨むような視線なのかな?って思ってさ」
「・・・・・気のせいだろ」
「そう?」
「・・・・・」
この日から徐々に二人に差が出来てきた