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できない『僕』とできる『俺』  作者: 鷹
1年生編
3/7

入学式と自己紹介2

さて、入学式を終えて現在1年3組のメンバーは教室で担任を待っている



「担任の先生綺麗な人だったね太一!」


「・・・はぁ(なんで隣なんだよ)」


入学式の前に教室に貼り出されていた座席表を見たときから太一は凹んでいた


この喧しい奴が隣の席にいる・・・凄くウザイ


「こうやって見るとこのクラスも色んな人が居るよね!」


大和は教室を見回す


「・・・・」


太一も周りを見渡す・・・

心の中で大和よりウザイ奴は居ないだろっと思いながら


『・・・・・』


大和と太一は一人の生徒を見て同時に絶句した固まった


その生徒はと言うと・・・


「セバスチャン・・・今日の紅茶は少し苦いですわ」

「申し訳ありませんお嬢様・・・」


初老の老人を傍に立たせて紅茶入れさせていた・・・来ている服も制服ではなくドレスだ


「・・・あれなに?」


「俺が知るか」


大和の疑問に太一は答えない


(こいつよりヤバそうな奴が居たか・・・関わらないでいよう)


太一はそう誓い前を見る・・・あの生徒を視界から消したかったからだ


「ちょっと話しかけてこっよう♪」


「!?」


大和の発言に驚く太一


(本気か!?あんなの普通避けるだろう!?)


「ねえねえ!君はどうして制服を着てないの?」


(話しかけやがった!?)


「あら?貴方は?」


女生徒が大和を見る


「僕?僕は北川大和!よろしくね!君は?」


「私ですか?私はメル、空堂メル(くうどう める)ですわ!!何を隠そうこの葡萄高校の理事長の孫なのです!!」


どや顔でメルは言う


「へぇ・・・えっ?それは制服を着てない理由になるの?」


大和の疑問に


「理事長の孫である私は校則に縛られたりしないのです!よって制服も着る必要がありませんわ!!」


「えぇ・・・」


流石の大和も引いた


「・・・えっと、そのお爺さんは?」


「彼はセバスチャンですわ!セバスチャン!」


「私はメル様の執事をしております『セバスチャン』と申します」


「セバスチャンって執事にはピッタリな名前ですね!」


「はい、私はメル様にセバスチャンと呼ばれる限りセバスチャンですので」


その発言を聞いた大和は


(あ、本名はセバスチャンじゃないなこの人)


と思っていた


ガラガラ!


「はーい!HRを始めます!」


教室に女性が入ってきて教卓に手をのせて言う


「あ、席に戻らないと!じゃね!」


大和は自分の席に座る


「さて、皆さん席につきましたね?では今から皆さんには簡単な自己紹介をしてもらいます!・・・あ、先ずは先生から自己紹介しますね!」


カリカリ


女性は黒板に名前を書く


『雨水 雅』(うすい みやび)


「今日から1年間皆さんの担任になる雨水雅です!これからよろしくね!」


「先生!年齢はおいくつですか!!」


大和が手を挙げて質問する


「おい!女性に年齢を聞くのは失礼だろうが!」


太一が注意する


「えっ?でもこういうのってお決まりじゃない?」


「お決まりってなんだよ・・・」


太一は呆れる


「二人は仲が良いわねぇ、先生の年齢ですね?」


カリカリ


雅は黒板に数字を書く


「20」


「先生は永遠の20歳よ!」


そう答えた雅


『・・・・・・・・・・・』


「・・・・・ちょっと、その目は止めて」


生徒達の嘘だなと語る視線に雅は目をそらした


・・・・・

・・・・

・・・

・・


生徒達の自己紹介が始まる

出席番号順に男女混合で行われていく



天野勇気(あまの ゆうき)です」


普通に名前だけを言う生徒も居れば


石原瑠璃(いしはら るり)!陸上部のエースを目指してます!」


高校での目標を言う生徒も居れば


「北川大和です!趣味はアニメや漫画を見たりゲームしたり!取り敢えず遊ぶこと!!それとそれと!」


必要以上の自己紹介をする生徒も居た・・・いや、これは大和だけか


そして


「佐倉太一・・・」


ザワッ!


太一が自己紹介をした時に教室の生徒達がざわめいた


「えっ?なに?」


「どうしましたの?」


大和やメルなど数名は何故ざわついているのかわからなかった


「佐倉って堀中の佐倉か?」


生徒の一人が聞く


「・・・そうだが?」


「嘘っ!?あの佐倉君!!」


さっき陸上部のエースを目指すと言った瑠璃がハイテンションで言う


「えっ?えっ?」


そのテンションに大和は驚いていた


「えっと・・・瑠璃ちゃん!太一って有名人なの?」


大和は瑠璃の方を向き質問する


「堀中の佐倉って言ったら運動部で知らない人はいないわよ!色んな部活の助っ人になって全部で好成績を出してるんだから!!色んな学校が彼を欲しがったのよ!!まさか葡萄高校が勝ち取るなんて!!」


「あ~誤解しているようだが俺は一般入試でここに入学したからな?」


「えっ?そうなの?」


勇気が聞く


「中学の時は確かに色々と頼まれて助っ人をしていたが高校では助っ人はしないと決めてな・・・他の高校も推薦入学を勧めてきたがめんどくさいし・・・家から近いからこの学校に入学したんだよ」


「家から近いからってそんな理由で。」


勇気は苦笑いする



「俺の勝手だろ?」


そう言って太一は自分の席に戻った


「・・・じゃあ気を取り直して次の子ね!」


雅がそう言うと次の生徒が自己紹介を始めた


・・・・・

・・・・

・・・

・・


「さて、今の子で最後ね?」


全員の自己紹介が終わった・・・


「♪」


「・・・・・」


ご機嫌なメルを見て太一は頭を抱えていた

というのもメルの自己紹介が色んな意味で酷かったのだ


『空堂メルですわ!この学園を私の思い通りに変えますのでそのつもりで!!』


「・・・・はぁ」


太一はこれからの学園生活に不安を感じていた


(近くだからここを選んだのは・・・失敗だったか?)


・・・・・・・・


自己紹介も終わりHRも終わり生徒達は下校する



昇降口


「~♪」


「・・・・」


太一の隣で大和は靴を履き替える


「~♪?・・・どうしたの?僕の顔を見て」


大和は太一に聞く


「いや、空堂を見た後だとお前がマトモに見えてきてな・・・あれは異常だ」


「そぅ?メルちゃん面白い子だと思うけど?」


「はっ?おも、しろい?アレがか!?」


「最初は驚いたけど話してみたら良い子だったよ?」


「・・・・・お前すげぇな・・・いや、お前も変わってるのかもな」


「?」


二人は靴を履き替えて外に出た


「じゃあ僕はちょっと用事が有るから!!」


「んっ?あっおい!」


大和は外に出ると走っていった


「・・・待てよ、あの言い方だとまるで俺がアイツと一緒に下校しようとしたみたいじゃないか!たまたま一緒に靴を履き替えただけだろ!」


太一はそう言うとさっさと下校した


・・・・・・



「えっと・・・先輩は確かテニス部だったよね?」


大和はテニス部のコートに向かう


パコーン!

タッタッタ!

パコーン!


テニスコートには生徒達が練習していた


「やってるやってる♪えっと・・・先輩は・・・」


大和はテニス部の・・・女子テニス部のコートを見る


「・・・・居た!」


目的の先輩を見つけた


「はい!あと100回!」


『はい!』


「先輩!由美先輩!!」


大和はフェンス越しに声をかける


「んっ?あら?大和じゃない!どうしたの?」


由美と呼ばれた女生徒がフェンスに駆け寄る


「僕もここに入学したんで挨拶に来ました!」


「あらそうなの?へぇ~大和って勉強苦手なのに良く受かったね?」


「頑張りました!!」


「うん!えらいえらい♪私が教えたことはちゃんと守ってるみたいね?」


「はい!!」


「せんぱーい!サーブが上手く入りません!!」


「ああ!今から行くから待ってて!じゃあ私は部活に戻るけど・・・気をつけて帰るのよ?」


「はい!」


「じゃね♪また今度何か奢ってあげるから!」


「ありがとうございます!!」


由美はコートに戻った


「よし、僕も帰ろう!」


そうして大和も帰路についた




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