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できない『僕』とできる『俺』  作者: 鷹
1年生編
1/7

プロローグ 受験前


プロローグ 『受験前』





「う~ん・・・わからない」


そう言って北川大和は自室の机で参考書を見つめる


「国語、数学、社会に理科・・・そして英語・・・あ~なんでこんなことが生きることに必要なんだよ!!」


バンッ!と大和は机に突っ伏す


「・・・・・・はぁ・・・いや諦めちゃ駄目だ!意地でも合格しないと!クラスの皆に絶対に受かるって見栄をはったんだから!」


そう呟き大和は再び参考書を見つめる


「・・・・はぁ」


溜め息を吐いた後・・・彼の部屋にはノートに文字を書くシャーペンの音だけが聞こえた



・・・・・・


太一「はぁ・・・」


自室のベッドに寝転がり溜め息を吐く佐倉太一


太一「結局・・・この中学生生活では友達が出来なかったな・・・」


これだけ聞くと彼はぼっちに聞こえるだろう

しかし実際は違う、彼は学校ではクラスメイトには好かれている

皆が太一を頼り、太一はそれに応えた

そう頼られ過ぎた・・・応えすぎた


太一「・・・・はぁ」


太一の言う友達とは対等に接してくれる人間

しかし学校の人間は皆が対等に接してはくれなかった

太一を頼るだけの者

太一に憧れる者

逆に嫉妬する者

誰もがそうして太一に距離をとった


太一「・・・俺から歩み寄るべきだったのにな・・・それが出来ない・・・・本当に必要な事は出来ないんだな、俺は・・・」



そう呟き大和は就寝する

彼の部屋には彼の寝息だけが聞こえた



・・・・・・・・・・



合格発表



「・・・・・・番号・・・365番」


大和は貼り出された合格発表を眺める・・・自身の番号を探す


「362・・・363・・・365・・・365!!有った!!よっしゃあぁぁぁぁぁ!!」


大和はガッツポーズを取る


「・・・悪い、ちょっと退いてもらえるか?」


「あ、ゴメン!」


大和は後ろから来た少年に言われて掲示板から離れた


「・・・・さっきの奴、人生楽しそうだな・・・」


大和を見て少年・・・太一は呟く


「さて、俺の番号は・・・382番だったな・・・380、381、382・・・まあ有るよな・・・一応連絡しておくか」


太一は掲示板を離れながら親に渡された携帯電話を使う


「・・・・・・あっ?母さん?うん合格してたよ・・・んっ?」


太一は歩きながら公衆電話の前を歩く


「お母さん!合格したよ!うん!うん!ちゃんと番号有ったよ!!約束通り携帯買ってよ!うん!」


公衆電話を使いながらピョンピョン飛び跳ねながら喜びを表現する大和


それを見て太一は


「本当に人生楽しそうだな・・・アイツ」


そう呟き帰路についた

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