第三章 1
第三章 破壊と殺戮の楽しい一日
シャアアアアア………
水音響く軽やかに。
ドクン ドクン ドクン ドックン。
心音響く不定期に。
時計は速やかにミッドナイト。
こどもはおねむの時間です。
僕はベッドサイドに腰掛けて、
エリーシャがシャワーから上がるのを待っています。
……………………………………………………
ああ、すいません。
少し脳味噌が停止していました。
実際、思考回路がショートしています。
◇ ◇ ◇ ちょっと間 ◇ ◇ ◇
落ち着け、落ち着くんだ!
現状況はエリーシャがシャワーを浴びているだけの事!
何も焦る事などないのだ!
今居る所はエリーシャが偽名で秘密裏に手に入れたセーフハウス!
隠れ家だからちょっぴり狭めの部屋に二人っきりです!
夕飯は一時間前に済ませました!
緊張してたから味なんて全く覚えておりません!
鵝臨射への餌やりも済ませました!
てゆか、魔法生物の癖にどうして餌が要るんだオマエラ!ええいこの食いしん坊め!
♨シャワーは僕の方が先に済ませた!♨
ああ、念入りに洗ったさ隅々まで!
そう!あとは寝るだけだ!
寝る………だけ………
あとは↴
エリーシャと↴
一緒に↴
寝るだけ↻
数時間前の、林檎のようなエリーシャを思い出す。
『私と寝てくれますか…』
………精一杯の勇気で張り上げた声と共に。
シャアアアアア………
水音響く軽やかに。
ドクン ドクン ドクン ドックン。
心音響く不定期に。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
《取り止めのない妄想開始………コウキ君の名誉の為に省略》
ぷんけ ふんけ っぷん
◇ん◇い◇ ◇な◇い◇ ◇ゅ◇け◇
さ か な か じ いか
《………妄想続行中》
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
――――エリーシャが、冷たい目つきで、
(高校生なのに×××(ぴーー)ないなんて………みっともないですね)
なーーんて、冷静になじられたりしたらもう立ち直れない事は確実!一生のトラウマになってしまいそうだ!
てゆかなんでこんなにテンパってるんだ僕は!?しかもネガティブかつ特殊な方向に!
十数分の煩悶の末にようやく我に帰る。
「コウキくん………?」
すとーーーーーーーーーーーっぷ!妄想禁止!
ああ、天国のお母さん、申し訳御座いません。人生でただの一度も経験のない出来事を前にしてなんだか情緒不安定になっております。みっともないことに。
「………えっと………どうしましょう、コウキ君が何だか壊れて………」