旅立ちとミユのヤンデレ
4-1. 旅立ちとミユのヤンデレ
挨拶も早々にボロが出ないうちに村を出たが、すぐにアフラ君に追いつかれてしまった。
「なんとなく予想してたけど、一緒に王都行くってパターンだよねーどうしよっか」
「お兄ぃお兄ぃはい」美夢がなにかを手渡してくる。
「はい、ってこれ胚だよね?廃でも肺でも灰でもなく胚だよね?しかもヒトの」
「お兄ぃが目玉造ったときに細胞をなんかしてたでしょ?それでひらめいて作ろうとして、お兄ぃの髪とか皮膚とかの細胞使って増やそうとしたんだけど・・時間かかりそうだったから」
「iPS細胞あきらめてES細胞に?というかこれどうやって作ったのか知りたくないけど答えてみ?」
「お兄ぃの部屋のーティッシュとー ミユちゃんの卵子でー キャハッ///」うちの義妹はとてもヤンデレってた。
美夢とは家が近くの幼馴染だった。ある時、美夢の両親の乗った飛行機が行方不明になり、海に墜ちたのかすらもわからず大事件となり、普段から家族ぐるみで付き合いのあった我が家に避難 そのまま養子に。夢藤美夢だと夢だらけになっちゃうしと、元の名字を継がせる案もあったのだけど、8歳でまだ幼いのと家族と違う名字はってことで、普段はみゆとひらがなで書くことで落ち着いた。
うん落ち着いたんだ。最近のミユを見てると・・なぜあの飛行機がまだ見つからないのか・・・?ふむ、これは考えてはイケナイ。
「お兄ぃ!思考の沼にハマってるとこ悪いんだけど、冷凍品だから溶けちゃうと困るんですけど!」