98,時計塔の秘密
「…私が知っている話だとですね、パトリシア様は少しだけ力が足り無かったため、魔王様を倒せなかったんです」
ゲームの内容を思い出す。
「だから魔王様の魔力を魔法石に変えて、魔力が枯渇した魔王様は眠りについた」
「…まさか、時計塔の魔法石が…?」
みんなの視線はティファニーちゃんに預けた、魔法石に集まった。
両手の平に乗るくらいの大きさの、透き通った海の色のような青い石。所々、金色がきらきらと混ざっていて、とてもきれいなものだった。
「はい。ずっと、壊れず止まらない時計塔の時計の秘密です」
強力な魔力の塊。
それが、時計塔が作られてからずっとこの時計を動かしてきた。
使った分だけ減っているはずだけど、この大きさで、濁りもなくきれいなのだから、魔王様の魔力のすごさが分かる。
「だから、時計塔の管理は必要ありません」
そもそも。
「この時計塔は、パトリシア様が封印を施しているんです。開けられるのは、救国の乙女の力を持つ子だけなんです…」
「今日この扉を開けたのは、ティファニーか…」
驚いたような顔のティファニーちゃん。
「はい。…文化祭のときも、ティファニーちゃんが扉に触れたから、扉が開いた」
「…そうだったんですか…」
何百年経とうとも、パトリシア様の封印は絶対だ。
「だから、管理人がいても中には入れなかったはずなんです」
「いや。しかし、学校内の建造物なのだから、責任者が必要だろう。定期的に点検を行うだろうし、どこかで、扉が開かない不自然さに誰かが気付くはずだ」
…ゲームの強制力。と言う言葉が浮かんだ。
なんとなく、みんなが見逃していた。
だって、そうじゃなくちゃ、お話が進まないから。
「それに、一つ不思議だったことがある」




