54,あなたからの贈り物
◈◈◈◈◈
「今日は楽しかったなぁ…」
夕食後、リンジーに再びお祝いしてもらって、お菓子パーティを終えたティファニーは、寮の部屋の机にそっと贈り物を並べた。
クレイグ先輩、マックス、ハーリィからもらった、ピンク色の石の可愛いネックレス、絹のリボン、もちろん包装紙だって捨てるつもりはない。
リンジーからは、おしゃれな瓶に入った飴と綺麗なペン。
他にも、寮で仲良くなった子や、生徒会の役員の皆、理科部の先輩、司書の先生に、お祝いの言葉やお菓子を贈ってもらった。
そして、紙で出来た薔薇の花。
「今日は良い日だったなぁ」
机の上が輝いて見える。
ずっと眺めていても飽きない。
どれくらいの時間が経っただろうか。
さすがにもう寝なくては、そう思ったとき、カタン、と音がした。
「あ!」
小さな窓の外に、一匹の猫の姿があった。
可愛い前足で、窓をてしてしと叩く。
ティファニーは急いで窓を開けて、猫を抱いてなかに入れた。
「いらっしゃい。あなたもお祝いに来てくれたの?」
まさか、そんなわけはない。
しかし、猫は返事をするかのように鳴いた。
「来てくれてありがとう」
最高の誕生日はまだ続くらしい。
ティファニーはふわふわの毛並みに顔を埋めた。
◈◈◈◈◈
「うわー! わー!」
私は、ふかふかのベッドに倒れ込んだ。
足をバタバタさせて、喜びと恥ずかしさを発散させる。
だって、エリックからプレゼントをもらってしまったのだ!
しかも、エリックが普段から身に付けていた懐中時計!
誰もいない一人の部屋で、嬉しさが爆発した。
ひとしきりベッドの上で懐中時計を持ちながら暴れる。
さすがに疲れたころ、不安になった。
「…でも、本当にもらっちゃって良かったのかな…」
手のひらの懐中時計を見る。
使い込まれた懐中時計。
自分でネジを巻いて、動かすらしい。
使い方を教えてもらって、ネジももらった。
「うーん。やっぱり返す?」
お嬢様のソフィアなら、なんのためらいなくもらっていただろう。
「もしかして、その悪影響が出てたりしないよね!?」
いや、でもねだったわけじゃないもの!
欲しそうな顔もしてなかった…よね。
エリックは「俺のためだと思って」って、言ってくれた。
「…うわー…」
再び私は、もだえた。
これを持っていれば無敵だ。
そう思った。




