106,いつかのあの日2
二人の女の子が、公園のベンチに座ってゲームで遊んでいた。
制服姿にマフラー。
微糖の缶コーヒーを一口飲むと、片方の女の子が言った。
「えっ、これで終わり?」
「ううん。まだ、エンディングがあるよ」
「いや、そうじゃなくて。もっとバトルとか。魔王との真・最終決戦! 的なことは…」
「ない」
「えー」
「だから、言ったでしょ。アイテムのネックレスを獲得したら、ほぼ勝ち確定だって」
「そうだけど。なんで、魔王は消えたの?」
「うーん。多分、ティファニーちゃんの癒す力で浄化された、とかじゃない?」
「ふーん。じゃあ、王子様ルートだと?」
「だから、そっちを先にって、何度も言ったのに…」
「だって。何度かやり直してたら、やっぱり司書が気になって」
「マナック・メーテルリンクね」
「そうそう。マナ様。マナ様」
「…王子様ルートは、倒れたビクター様。駆け寄るティファニーちゃん。その後がちょっと違ってた。魔王様を怖がりながらも、魔王様から魔力だけを消し去るの。それで、また魔王様は眠りにつく」
「…他のキャラのときも、それをやったげれば良いのに」
「ううん。王子様…ビクター様の力を借りて出来る技だから」
「へー」
「でも、気を付けて。封印も選択とタイミングを間違えたら、王子様ルートでも討伐になるから」
「…えっ。なんで」
「…さぁ?」
「なんか、変なところで難しくなるよね…」
「大丈夫。そんな難しくないよ。ティファニーちゃんが魔法を使えば、どっちにしろ魔王様は敵わないから」
「そうなんだ」
「うん。討伐にしろ、封印にしろ、ちゃんとエンディングは見れるよ」




